国営イラン通信によるとハラジ・イラン外相は13日、「パレスチナ支援のための原油輸出停止に踏み切らないなら、産油国が少なくとも1カ月分の原油収入を支援にあてるよう提案する」と述べた。
最高指導者ハメネイ師は先にイスラエル軍による自治区攻撃に抗議して象徴的な1カ月間の輸出停止を提案していた。イラクのフセイン大統領がその後、実際に輸出停止に踏み切ったことからイランの動向が焦点となっている。イランは禁輸実施の条件として「他の産油国との合意」を挙げておりサウジアラビアなどが追随を拒否している現状では禁輸を見送ることが濃厚視されている。穏健派のアラブ産油国でも「言葉ではなくパレスチナ支援を行動で示すべきだ」との声が民衆の間で強まっている。ただ、消費国の原油離れを加速しかねない禁輸には各国政府は消極的で、代わりにパレスチナへの資金援助を相次ぎ表明している。(バーレーン=岐部秀光)