自衛隊未経験者から公募する「予備自衛官補」の採用試験が13日から全国で始まった。今年度から初めて実施したが、不況で就職難が続いていることもあり、志願者が採用枠の6倍を超える人気ぶりだ。
採用予定者数は260人。全国50か所の自衛隊地方連絡部で18―33歳の男女を対象に募集した。志願した約1600人(うち女性約170人)の顔ぶれは、社会人(42%)、大学生(23%)のほか、無職(22%)や、フリーター(4%)の若者も。
採用後は仕事などの合間に、任期の3年以内に戦闘などの教育訓練を50日間受け、計39万5000円の手当てが支給される。訓練修了後は従来退職者から採用している「予備自衛官」になることができ、希望すれば災害派遣活動にも携われる。定員割れの予備自衛官を安定的に確保する狙いもあるという。
この日、東京・新宿区の防衛庁で受験した江戸川区の久野正興さん(31)は、郵便局の非常勤職員。不景気で正社員の職がなかなか見つからないといい、「災害派遣や国連平和維持活動(PKO)に行ってみたい」と希望した。
また、大田区のフリーター、松本恵里子さん(22)は、「全然違う世界を見てみたい。強くなりたい、人の役に立ちたいという思いもあって、軽い気持ちで来た」と話していた。
(4月13日18:30)