この期に及んでアナン事務総長が平和維持部隊の派遣を提案したという。
イスラエル軍部隊の侵攻を防止するための平和維持部隊の派遣には基本的に賛成するが、それは、シオニスト国家「イスラエル」の解体につながっていくものでなければならないと考えている。
最悪のシナリオは、U.N.の平和維持部隊派遣が「旧ユーゴ内戦」と同じように“戦闘激化”と“虐殺拡大”につながっていくことである。
旧ユーゴ内戦は、U.N.事務総長の“平和の特使”として米国のサイラス・ヴァンスがユーゴスラビアに乗り込んだあとからいっそう激しくなった。
(ヴァンスは、ベトナム戦争当時の「パリ和平会議」の代表を務めてベトナム戦争を激化させ、カーター政権では国務長官に就任した。民間の顔をしては「ロックフェラー財団」の理事長を務めていたが、全米軍需産業第2位のゼネラル・ダイナミックスの重役でもあった。参考:「国連の死の商人」広瀬隆著)
7千人以上のイスラム系ボスニア人が殺害された1995年7月の「スレブレニッツア虐殺事件」は、U.N.平和維持軍オランダ部隊に“大きな責任”があったことをオランダ歴史研究所が指摘しているし、政府系のオランダ戦争記録研究所さえオランダ政府と派遣オランダ軍部隊に“責任”があったことを認めている。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、U.N.の輸送車が武器を運んでいたことも確認されている。
パレスチナに平和維持部隊を派遣するのなら、中国とロシアを軸に部隊を編成するべきだろう。
「ネットワーク国際金融家」の意向で動く米国政権・欧州諸国・U.N.(日本政府はたんなるそれらの追随者)は、第一段階として、中東地域を旧ユーゴ内戦やアフガニスタンのように“内戦状態”にすることを目指している。
NATO諸国を軸とした平和維持部隊が派遣されたら、旧ユーゴ内戦の悪夢が再現されるだろう。
旧ユーゴでイスラム系住民とセルビア正教会系住民がお互い殺し合いをさせられたように、中東では、ユダヤ教徒とイスラムさらにはイスラム同士が殺し合いを展開する状況が創出されようとしていることを見逃してはならない。
イスラエル政府の発表ではなく、U.N.の発表ということになれば、様々なプロパガンダも“信憑性”を帯びるようになる。
味方の顔をしながら敵と通じている勢力や人がいることも忘れてはならない。
(今の状況であまり言いたくないことだが、アラファトさん、あんたのことだよ。それに、「アルアクサ殉教団」だよ。シャロンだって、パレスチナ人を増やすからという理由で殺したいと願っているパレスチナの女性を自爆テロに使ったりするなよ)
アフガニスタンでの「アフガニスタン国軍」創設も、多国籍治安部隊ができるだけ矢面に立たずに、イスラム教徒同士の殺戮拡大でことを進めようという企ての一つである。