18、19両日に予定されていたアナン国連事務総長とサブリ・イラク外相の大量破壊兵器査察再開問題を巡る再会談が延期されることになった。国連報道官が12日明らかにしたもので、イラク側から「世界の目を中東問題からそらしたくない」と延期の申し入れがあったという。新たな日にちは決まっていないが、5月初めまでに開かれる公算が大きい。
両者は3月7日に約1年ぶりで会談し、イラク側が「査察が終わればどのぐらいで制裁が解けるか」など19項目の質問状を提出した。今回は国連側がこの質問状に答える段取りとなっていた。
イラクが延期を求めた真の理由は定かではないが、この会談にはイラク攻撃を選択肢に掲げる米国を牽制(けんせい)する狙いがあるとの見方が一般的で、パレスチナ危機の深刻化でイラク攻撃の危険性が弱まったと判断したためと見る向きもある。ある常任理事国の外交官は「我々の姿勢が弱まったと考えたなら大間違いだ」とイラクに警告している。(13:11)