04/12 16:24 チャベス大統領が辞任 軍主導で国家評議会樹立へ 外信73
【リオデジャネイロ12日共同】ベネズエラからの報道によると
、エフライン・バルガス陸軍司令官は十二日未明(日本時間同日午
後)、チャベス大統領が辞任したと語った。政権移行のための国家
評議会を設置するとし、選挙を実施して新たな民主政権を発足させ
る。財界、野党が率いてきた政府への抗議運動が事実上のクーデタ
ーに発展した形だ。
チャベス氏は農地改革など急進的な改革を進め、外交面では米国
を「覇権主義」と批判、石油輸出国機構(OPEC)の結束強化に
努めたが、経済の立て直しに失敗。反政府運動による社会の混乱を
収拾できず、出身母体の軍の支えを失って、退陣に追い込まれた。
チャベス氏は首都カラカスの官邸にとどまっているもよう。カラ
カスでは大きな混乱はない。
国家評議会では、国営ベネズエラ石油(PDVSA)のグアイカ
イプロ・ラメダ前総裁らが中心になるとみられ、軍出身のラメダ氏
は同日未明、国民に暫定政権発足まで平穏を維持するよう呼び掛け
た。
軍は十一日、大統領が政府に批判的な民間テレビ局の放送停止に
踏み切り、反政府デモ参加者に死者が出たのを機に「大統領ではな
く国民と連帯する」(バルガス陸軍司令官)として見切りをつけた
。
地元テレビによれば、官邸周辺でのデモ隊と警官による衝突で、
少なくとも十三人が死亡、百人以上が負傷した。
チャベス氏は一九九二年に反乱未遂事件を起こした元陸軍中佐。
九八年の大統領選挙で既存政党の政治腐敗を批判して大勝、憲法を
改正し、議会でも絶対多数を占めた。
しかし野党、財界、労組、教会、マスコミ幹部を「特権集団」と
批判して敵に回し、与党も分裂、政権基盤が崩れた。
(了) 020412 1623
[2002-04-12-16:24]