国連のアナン事務総長は、イスラエルとパレスチナが独力では紛争を終結できないとの見方を示したうえで、米国をはじめとする各国政府が中東和平の実現をめざして調停を進める必要がある、との見解を示した。
このなかで、「当事者間では紛争を解決できないとみている。これまでの事態を見るかぎり双方には第三者の支援が必要で、今後も和平の実現に向け支援すべきだと考えている」と述べた。
そのうえで、一連の国連安全保障理事会決議や、米国・ロシア・欧州連合(EU)・国連が10日にマドリードで発表した共同声明が、暴力の応酬に終止符を打つために明らかな道を設定している、と述べた。
4者が10日発表した共同声明は、イスラエル軍のヨルダン川西岸からの即時撤退を求めるとともに、パレスチナ暫定自治政府のアラファト議長に対し自爆テロの停止を求めているが、アナン事務総長は、「しかし実行に移されるとの示唆はみられない」と述べた。