[モスクワ 10日 ロイター] ロシア連邦保安局(FSB)の職員らは、ロシアから軍事機密を盗み出す目的で米国が科学者に扮したスパイを送り込んでいたと非難した。
プーチン・ロシア大統領、ブッシュ米大統領の就任直後に両国間で盛んに議論されたスパイ問題が、来月の両首脳の会談を前に再燃した形だ。
NTVテレビのニュース番組に顔を隠して出演したFSB職員らによると、モスクワの領事が旧ソ連に属していた共和国で問題のロシア人科学者を発見。科学者は明らかに薬物で記憶を消されていたが、米国にいる家族について調べるために米大使館に行ったことだけは覚えていたという。
FSBがモスクワで検査を行った結果、この科学者が政府の機密情報を知っていること、長期にわたって薬物による精神療法を受けていたことが分かったという。
FSB職員の一人は、米中央情報局(CIA)がこの人物を雇い、あぶり出しインクで書かれた文書で指示を与えていたと指摘。ただ、損害が生じる前に陰謀は食い止められた、としている。
モスクワの米大使館、およびCIAはコメントを拒否。FSBには連絡がとれていない。(ロイター)
[4月11日17時13分更新]