【エルサレム海保真人】
シャロン・イスラエル首相は10日、パレスチナへの大規模軍事作戦について、「最良の友人である米国が、これ(作戦)を我々の生き残りと自衛をかけた戦いであると理解してほしい。やめろという圧力をかけてもらいたくない」と発言した。首相が米を名指しして、軍撤退要求への反発を示したのは異例だ。
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニン近郊の軍拠点で、報道陣に答えた。
首相は侵攻先の自治区からの撤退問題について、「作戦が完了した場所からは撤退し、包囲する。だが、主なテロの拠点からは任務が終わらない限り、撤退する気はない。テロの種を残すことはできない」と述べた。特に西岸ナブルスとラマラを挙げて、撤退の意思がないことを示した。
首相はまた、「我々は外交上の戦いにも加わっている。アラブ諸国は自分たちの思惑で米と欧州諸国に圧力をかけている」と述べ、アラブ勢に配慮した米欧の動きなど、国際社会からの圧力に不快感を示した。