【ニューヨーク7日時事】
八日発売の米誌ニューズウィーク最新号は、昨年全米で五人の死者を出した炭疽(たんそ)菌事件で、郵便物から検出された菌の胞子が米国の研究施設の技術では不可能なほど高度に兵器化されていることが分かり、国内単独犯説が弱まりつつあると報じた。
政府筋によると、レーヒー上院議員あての郵便物に含まれていた炭疽菌は、米国の研究施設の技術では不可能なほど細かく精製されている上、旧ソ連やイラクを含めた世界中の炭疽菌のサンプルにもない未確認の成分で表面を覆われている。捜査当局は、この二段階の加工で、胞子の純度が高まり、空中に浮遊しやすくなったとみている。
米連邦捜査局(FBI)はこれまで、事件が科学的知識を持つ国内の人物による犯行との見方を強め、政府関係の研究機関にかかわりのある人物の洗い出しを行ってきた。
しかし、これほど高度に兵器化された炭疽菌を単独で製造するのは難しく、外国政府が組織した研究者の集団によって開発された菌が何者かに使用されたとの見方が浮上。ただし、具体的な証拠はつかめていないという。