04/04 16:30 中欧でズデーテン問題再燃 EU加盟交渉に影響も 外信65
【ウィーン4日共同】第二次世界大戦後、当時のチェコスロバキ
ア政府がナチス・ドイツに併合されていたズデーテン地方のドイツ
、ハンガリー系住民の国外追放を命じたいわゆる「ズデーテン問題
」がハンガリー、チェコ、スロバキアの間で再燃、欧州連合(EU
)加盟を目指す中欧三カ国を揺さぶっている。
きっかけは追放を命じた当時の「ベネシュ政令」をめぐる論争。
今も有効な同政令についてハンガリーのオルバン首相が先月「EU
法と相いれず(チェコとスロバキアは)EU加盟前に撤廃せよ」と
要求した。
これに対し、政令廃止による元住民の補償要求の高まりを恐れる
両国が強硬に反発し、双方の非難合戦に。ついにはEUもチェコ側
に法改正検討を求めるなど三カ国のEU加盟交渉への影響も懸念さ
れ始めた。
同政令は一九四五年に当時のベネシュ大統領が布告。約二百五十
万のドイツ系住民と数万のハンガリー系住民が財産没収の上、国外
退去させられた。
戦後もドイツ、チェコスロバキア間の外交問題としてくすぶり続
け、九七年にようやく両国が和解宣言。しかし、その後も財産返還
問題がくすぶり続け、今回も国内に元ズテーテン住民を抱えるオー
ストリアやドイツがハンガリーに同調する姿勢を見せている。
三カ国は、四月のハンガリーを皮切りに六月にチェコ、九月にス
ロバキアと、いずれも総選挙を控えており、国内の保守層取り込み
を図りたい各政権が主張を弱めるとは考えにくく、確執は当分続き
そうだ。
(了) 020404 1630
[2002-04-04-16:30]