【ワシントン中島哲夫】
ラムズフェルド米国防長官は2日、アフガニスタンにいたウサマ・ビンラディン氏の組織「アルカイダ」の要員らがイランに逃げ込み、他の諸国に散っていると指摘して、イランを非難した。国防長官は1日にもイラク、シリアと並べてイランを「テロを扇動、支援している」などと批判しており、イランに対する厳しい姿勢が目立つ。
長官は、訪米したノルウェー国防相との共同会見の席で記者団の質問に答えた。摘発されたパレスチナへの武器密輸にイランが関与したことも、アルカイダがイランに入り「聖域」(避難所)を得たことも、他の諸国に拡散したことも「疑う余地がない」と指摘。イランへの失望を強調した。
しかし、長官は、イランの国境線は管理が困難なために越境しやすく、イラン国民は教育が高いが抑圧されている、などとも言及した。これは、非難の対象をイラン国内の強硬派に限り、改革派の反発を買うまいという配慮と見られる。
[毎日新聞4月3日] ( 2002-04-03-18:49 )