イスラエル軍放送によると、イスラエル労働党は1日、国会議員団の会合を開き、28日にアラブ首脳会議が採択したサウジアラビアの和平提案を「将来の和平協議の基礎になりうる」と支持することを決定した。イスラエル軍のパレスチナ占領地からの全面撤退と引き換えにアラブ諸国との関係正常化を達成するというもの。シャロン首相は全面撤退を拒否しており、今後、統一内閣内で和平路線の差が顕在化することになる。
会合では、党首のベンエリエゼル国防相が29日の閣議で決まった自治政府に対する大規模な軍事作戦を議員団に説明した。ペレス外相はアラファト議長の「孤立化」に反対の立場を示したという。議員団は議長にテロの停止と、停戦の実施を求め、同議長を和平交渉の相手とする立場を示した。
労働党の和平派には、統一内閣から離脱すべきだとの意見は強い。これに対して、ベンエリエゼル国防相は、アラファト議長追放などの事態を防ぐためにも、連立にとどまる必要があると説明したという。(23:48)