04/01 08:05 国益考え断念と前大統領 ビンラディン氏殺害作戦 外信13
【ニューヨーク31日共同】クリントン前米大統領は米誌ニュー
ズウィーク最新号(四月一日発売)との会見で、大統領在任中にウ
サマ・ビンラディン氏の殺害を何度も試みたが、同氏の周囲に大勢
いた子供や女性らも同時に殺害すれば米国の国益を損なうなどと判
断、本格的な作戦を断念したと述べた。
米国内では、クリントン前政権のビンラディン氏の拘束・殺害作
戦が中途半端だったことが米中枢同時テロを招いたとの批判が相次
いでいた。前大統領がこの問題をこれほど詳細に語ったの初めてと
みられる。
米軍は一九九八年、アフリカでの米大使館の連続爆破事件の報復
として、アフガニスタンのビンラディン氏の拠点を巡航ミサイルで
攻撃。これについてクリントン氏は「攻撃の数時間前にビンラディ
ン氏は脱出していた」と明かした。
さらに、前大統領は二○○○年秋に情報当局がビンラディン氏の
居場所を特定したが、かなりの女性や子供が一緒にいたことを明ら
かにした上で「(ミサイル攻撃で)女性や子供が多数死亡すれば米
の国益に傷が付いていた」と説明した。
この時には特殊部隊などの潜入も検討されたが、前大統領は「(
パキスタンやアフガンなどに)基地を設置する権利はなく、同時テ
ロ後の国際的な支持も当時はなかった」と振り返った。
(了) 020401 0804
[2002-04-01-08:05]