【ウィーン=高坂哲郎】
国連薬物統制計画(UNDCP、本部ウィーン)は2月28日、アフガニスタンでの麻薬生産の最新状況の報告書を発表した。2001年はタリバン政権(当時)のアヘン生産禁止令で激減したが、同政権崩壊後に農民がケシの栽培を再開したため、再び世界有数の麻薬原産国になる可能性が強まってきたという。アフガンでのアヘン生産量は2000年が3300トンだったが、2001年は185トンと10分の1以下に激減した。
タリバン政権崩壊後の今年1月、アフガン暫定行政機構もケシ栽培禁止令を出したが、その時点では既に各地で多数の農民がケシの種をまき終わっていた。高収入をもたらすケシ栽培を農民が途中で放棄する見込みは少なく、今年4月から5月にかけての収穫期には最大2700トンのアヘンが生産可能な収穫が見込まれている。UNDCPの推計では、2000年に世界全体で生産されたアヘンの約7割がアフガン産で、同国のアヘン生産撲滅は世界の麻薬問題克服のための重要な一歩となる。