03/29 19:09 防火システム機能せず 貿易センターの崩壊原因に 外信75
【ニューヨーク29日共同】米連邦緊急事態管理局(FEMA)
は、米中枢同時テロの現場となった世界貿易センタービルの双子の
高層ビルの防火システムが全く機能せず、旅客機の激突で上がった
炎が原発並みの高温を発生させたことが崩壊原因になったとする報
告書をまとめた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が二十九
日報じた。
ビルは暴風など外部からの衝撃で支柱の一部が破損しても、負荷
を他の支柱に分散する構造を持っていた。このため旅客機の激突に
よる衝撃には十分に耐えた。
しかし噴出したジェット燃料が鉄柱に施された防火剤の効果を弱
めたうえ、衝撃で飛び散ったがれきなどが、防火用水を供給するパ
イプを寸断。ビル内に張り巡らされたスプリンクラーなどが作動し
なかった可能性が高いという。
報告書はこのため、高層ビルの建築・設計基準の全面的な見直し
を検討すべきだと指摘している。
報告書は現場から収集されたデータや延べ百時間に及ぶビデオテ
ープの分析、目撃者との面接などに基づき、FEMAが民間団体と
共同でまとめた。四月下旬にも公表されるという。
(了) 020329 1909
[2002-03-29-19:09]