(回答先: アラブは反発と連盟事務局長〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 29 日 23:30:20)
イスラエルのシャロン首相は29日朝、緊急閣議の決定として「アラファト(パレスチナ自治政府議長)は敵だ」と宣言した。イスラエル軍は同日未明にヨルダン川西岸のラマラ自治区に侵攻し、議長府を戦車で包囲、議長の執務室付近にも発砲した。アラファト議長は無事だったが、銃撃戦でパレスチナ人5人とイスラエル人1人が死亡した。議長は「我々はすべて殉教者だ」と徹底抗戦を訴えている。イスラエルの決定は米国の停戦仲介を不可能とし、アラブ首脳会議の包括和平案決議に背を向けるもので、双方の全面戦争につながる危険性をはらんでいる。
イスラエル軍は29日午後までに議長府をほぼ制圧した模様だ。ベンエリエゼル国防相は会見で「アラファト(議長)を傷つける意図はない」とし、あくまでテロ組織の根絶が目的としている。議長がいる議長府ビルを孤立させて包囲することで、議長の無力化を強調する意図と見られる。
シャロン首相は、今回の軍事作戦について「少なくとも数週間は続く」としている。
イスラエル軍は29日未明にラマラ自治区に侵攻し、戦車約30両でアラファト議長府を包囲し、ブルドーザーで外壁を破壊した。同軍は議長府を含む自治政府総合庁舎を砲撃し、一部から火の手が上がったという。また敷地内の建物のうち2棟を占拠し、議長の執務室付近にも銃撃を加えた。議長は別の建物に避難した。議長府周辺で警護隊との間で銃撃戦があり、ロイター通信などによると、計6人が死亡したほか、パレスチナ側40人以上、イスラエル軍側も4人が負傷した。
議長府のアブルデイナ報道官は、「イスラエル軍は議長執務室の方向に直接激しい銃撃を加え、非常に危険な状態になっている」と訴えた。
シャロン首相が招集した緊急閣議は29日朝まで続いた。首相の記者会見は閣議後に行われ、「政府はパレスチナのテロに対する大規模な軍事作戦の実施を承認した。イスラエルに対するテロ連合を作り上げたアラファトは敵だ」と断言。「議長は孤立化されるべきだ」と語った。
首相はまた「いまイスラエル軍はアラファト議長府に入っている」と語り、議長府での軍事作戦が進行中であることを強調。イスラエル軍が議長府に入ったのは初めてのこと。閣議は作戦遂行に応じて2万人の予備役を招集することを承認したという。
アラファト議長はカタールのアルジャジーラテレビとの会見の中で、「シャロン(首相)のしていることは、占領とテロだ。パレスチナ人はだれ一人として、この攻撃に屈することはない。我々はすべて殉教者になることを望んでいる」と語った。(23:41)