米同時多発テロ事件で世界貿易センタービルが崩壊し、約3000人もの人々が命を落としたニューヨークでは、市民の間でうつ病の傾向が広がっている。
事件後5―8週間にマンハッタン在住の1008人を対象に電話で調査を行ったところ、9.7%がうつ病に類似した症状があると回答。また、睡眠障害や事件の記憶がよみがえるなど心的外傷性ストレス障害(PTSD)の症状があるとの訴えは7.5%にのぼった。
米国で行われたこれまでの一般的調査では、PTSDを訴えていたのが3.6%、うつ病の傾向を訴えたのは4.9%だった。
調査を行ったニューヨーク医学アカデミーの専門家によると、これらのニューヨーク市民の水準は平均の約2倍に達している。