ブレア米太平洋軍司令官は27日、下院外交委員会の公聴会で証言し、現時点では中国が台湾を軍事的に占領する能力はないと指摘した。
司令官はまず、台湾海峡、朝鮮半島情勢で最近目立った変化はないと強調。その上で、台湾と中国の軍事的関係について「安定した状態が続いている。中国には台湾を軍事的手段で獲得する能力がないのが現実だ」と述べ、米国が台湾に武器供与を続けて防衛能力を維持している限り、中国側に台湾を占領する力はないと証言した。
また北朝鮮について同司令官は「緊張の度合いは以前と変わっていない。北朝鮮軍の態勢に大きな変化は見られず、われわれもこれまでと同様の態勢を続けている」と述べ、韓国との軍事境界線付近での北朝鮮の軍事力展開に変化は見られないとの見解を示した。
司令官はさらに、中国政府が最近、沿海州(現ロシア)からインドの一部まで中国の版図だったとする十九世紀末の清朝時代の地図を発行していることについて、「他国の領土を(自国領に)含む地図を出すのは危険なこと」と指摘した。(共同)