ウェブ上では、”半ば常識”(?)と化している9・11アタック陰謀説ですが、ペーパーメディアの世界でもいよいよ陰謀説が露出してきそうな気配です。
このウェブでもおなじみの田中宇さんがつい最近、PHP研究所から、「仕組まれた9・11」という本を出しました。全編これ陰謀論という感じです。出版系では以前にも、浜田和幸さんが「アフガン暗黒回廊」という本を出し、陰謀説を紹介していますが、田中さんの本には、このウェブでも見たことのない(英語のウェブには登場しているのですが)新しい陰謀説も色々と紹介しています。
中でも秀悦なのは、ティモシーマクベイという湾岸戦争に従軍した兵士の単独犯行説にされている、オクラホマ州オクラホマシティの連邦ビル爆破事件が、どうもそうではないらしいことと、9.11アタックについて、イラクの反フセイン派の元軍人の犯行の可能性を示唆している点です。もちろん、これら反フセイン派元軍人をリクルートし組織化したのは、CIAで、もともとは湾岸戦争での秘密オペレーションが発端のようです。また、ブッシユ家の謎についても色々、紹介していますが、フロリダの反カストロ派や麻薬ディーラーにも目を向けており、ジェブ・ブッシュがなぜ、フロリダ州知事になれたのか、と疑問を呈しているのはさすがだ、と思います。ひょっとしてケネディ暗殺にまでブッシュ家はからんでいるのでしょうか。まあ、世界最大の権力国家に色々と奇怪な話がつきまとうのは、何もおかしくない話で、米国にも鈴木宗男のような「利権屋」はいっぱいいるわけでしょう。そして、ODAどころでなく、軍事費やCIAの予算・秘密工作費を”食って”いる奴もゴロゴロいるでしょう。単なる利権屋だけでなく、イデオロギー的狂信者もいるでしょう。イランコントラで登場したケーシーやシングローブ、シーコートやオリバーノースのように。反共といった信念を持って陰謀を企てるだけに、こいつらは利権屋より始末が悪い。そういえば、ケネディ暗殺本のひとつで、ウィロビーが関係している、という説を読んだことがあります。そう、終戦後の日本で色々とうごめいたあのGHQの「反共の闘志」ウィロビーです。米国が「民主主義の見本」だと思っている多くの日本人も、この際。少し目覚めてほしい。完全な民主主義国家が「世界帝国」になれるはずもないのです。
それにしても、「米国の謎」を色々と暴いてくれている広瀬隆さんが「陰謀説」を否定している、とは残念です。広瀬さんのレポートが早く出版されないか、と期待していたのですが。まあ、今回の事件をきっつかけに、米国の「本当の姿」が少しでも明らかになれば、この悲惨きわまる戦争の犠牲となったアフガンの人々も少しは救われる、ということでしょうか。