【ニューヨーク27日=河野博子】
核の脅威下での世界の「安全」度を示す「終末時計」の針が27日、2分進められ、地球最後の時の午前零時まであと7分となった。針が進められたのは、冷戦終結後3度目で、インドとパキスタンが核実験を行った98年以来4年ぶり。
米シカゴをの隔月誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が発表した。「昨年9月11日の米同時テロとその後の炭疽菌事件は、既成概念をはるかに超える警告を発したのに、世界はそのまま眠り続けているように見える」と指摘したほか、米国の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの撤退や、インドとパキスタン間に高まる緊張、中東での自爆テロの増加などを理由に挙げた。
時計の針はその時々の世界情勢により、進められたり遅らされたりするが、今回針が進んだことで、「終末時計」が登場した55年前と同じ位置に戻った。
(2月28日11:31)