ラヂオプレス(RP)が22日伝えた朝鮮中央放送などによると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の赤十字会スポークスマンは同日、有本恵子さんの拉致疑惑を否定した上で、「しかし、わが国は行方不明者調査事業を継続することにした」との談話を発表した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への家宅捜索と関連して、昨年12月に中止を宣言していた調査を再開する意向も明らかにした。
RPによると、北朝鮮側が有本さんの拉致疑惑に言及したのは初めて。北朝鮮側が日本人「行方不明者」の調査再開を明言したことは、日朝国交正常化交渉の再開を日本側に呼びかけるシグナルともとれる。ただ、日本人拉致については改めて否定しており、不審船や拉致疑惑で日朝間がぎくしゃくする中、あえて柔軟な姿勢をみせたにすぎないとの見方がある。
同スポークスマンは「日本で最近、有本恵子なる女性が83年に拉致されたという『証言』なるものが出て、大騒ぎが繰り広げられているが、わが方(北朝鮮)は彼女を誘惑したり拉致したりしたことはない」と言明。一方で「行方不明者」調査については「日本赤十字社と、相互の関心事となる問題に関して都合のよい時期に会談を行う用意がある」と語った。