03/14 20:13 リビア人被告の控訴棄却 パンナム機特設法廷判決 外信105
【ザイスト(オランダ中部)14日共同】一九八八年の米パンナ
ム機爆破事件で、殺人罪で終身刑の一審判決を受けたリビア元情報
機関員アブデル・バセト・アルメグラヒ被告(49)の控訴審判決
公判が十四日開かれ、オランダ・ザイストの特設法廷は一審判決を
支持し、被告側の控訴を棄却した。
一審判決によると、アルメグラヒ被告はリビアの情報機関員で、
マルタの空港で時限爆弾入りのスーツケースを積み込んだ。スーツ
ケースはフランクフルトで、ロンドン経由ニューヨーク行きパンナ
ム機に積み替えられ、機上で爆発した。
控訴審で弁護側は、ロンドン・ヒースロー空港で同機に積み込む
荷物の集積所に近い関係者専用通路の鍵が事件直前に壊されていた
との新証言から、爆弾はマルタでなくロンドンで積み込まれた可能
性が強まったなどと指摘、一審には事実誤認があったとして無罪を
主張していた。
今回の判決を覆すことは極めて困難で、国際テロ事件の刑事裁判
が事実上決着。リビアによる犠牲者遺族への補償問題や米国とリビ
アの関係修復にも影響を及ぼしそうだ。
事件は八八年十二月二十一日、英スコットランド上空で米パンナ
ム機が爆破。日本人を含む搭乗者全員と地上の十一人の計二百七十
人が死亡し、リビア人二人が殺人罪に問われた。
特設法廷は二○○一年一月、アルメグラヒ被告に終身刑、もう一
人には証拠不十分として無罪を言い渡した。同被告の控訴審は一審
と同様、スコットランドの法律に基づいて○二年一月から行われて
いた。有罪が確定すれば同被告はスコットランドの刑務所に収監さ
れる。
(了) 020314 2013
[2002-03-14-20:13]