02/27 09:48 アフガン再び麻薬供給地に 国際麻薬統制委が警告 外信31
【ウィーン27日共同】国連関連機関の国際麻薬統制委員会(I
NCB、事務局ウィーン)は二十七日、年次報告(二○○一年)を
発表し、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンでアヘンの原料とな
るケシの栽培が復活の兆候を見せており、再びヘロインの一大供給
地に戻る可能性があると警告した。
報告では、二○○○年七月のタリバン政権によるケシ栽培禁止令
により栽培は激減。しかし、○一年九月以降、北部同盟の支配地域
などで栽培が復活しており、今後激増の恐れがあるとしている。
またアフガンでの軍事作戦以後、同国産ヘロインがイランやパキ
スタン経由で大量に出回り、タジキスタン、キルギスなど中央アジ
ア諸国での摘発も目立っていると指摘した。
INCBではこうした傾向が続くと、アフガンなど西アジア諸国
の政治、経済の安定を損ねると指摘、国際社会が取り締まりのため
技術、財政支援を行うよう呼び掛けている。
ヘロインはアヘンを精製してできる麻薬で、米国務省の報告によ
ると、アフガンでは二○○○年に推定約三千七百トンのアヘンを生
産し世界生産の72%を占めた。
また、アジアではアンフェタミン(中枢神経刺激剤)系薬物の使
用、不法取引が増加しており、中国、フィリピン産の薬物が日本、
韓国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に密輸されていると指摘
した。
さらに全世界的に、インターネットなどを用いたサイバー麻薬犯
罪が増加しており、取り締まりには国際的な協力態勢の構築が必要
と強調している。
(了) 020227 0947
[2002-02-27-09:47]