【ロンドン岸本卓也】米国などが湾岸戦争などで使用した劣化ウラン弾による健康被害を調査していた英国王立学士院の研究班は12日、使用された劣化ウラン弾から出る物質は腎臓に障害を起こすという報告書をまとめた。
報告書によると、使用された劣化ウラン弾から飛び散った物質が空気中から吸入されたり、水などとともに体内に入ると腎臓にたまる。かなりの量が蓄積されると急性の腎臓病を起こすことがわかった。研究班は劣化ウラン弾によって汚染された土壌や水による健康被害は大人よりも子供に危険が大きいと警告した。
王立学士院は昨年5月にも「劣化ウラン弾から出る粉じんは肺がんを起こす恐れがある」という報告書を出している。国連は旧ユーゴスラビア・ボスニア紛争などで米軍などが使用した劣化ウラン弾による土壌調査を進めているが、王立学士院は兵士や住民の定期的な健康診断の必要性を指摘している。(毎日新聞)
[3月14日2時50分更新]