03/13 17:16 リビア関係改善に前進も パンナム機爆破判決で米 外信59
【ワシントン13日共同】一九八八年の米パンナム機爆破事件の
最終審となる控訴審判決が十四日、オランダ・ザイストの特設法廷
で言い渡される。米国とリビアが関係修復を進める上で最大の障害
となっている同事件の刑事裁判が決着することで、両国が関係正常
化に向けて動きだす可能性が出てきた。
米政府はリビアとの関係改善には「事件の責任を認め、遺族への
賠償が大前提」(国務省当局者)との立場を固持しているが、控訴
審判決でリビア元情報機関員の有罪が確定すれば、リビアの最高指
導者カダフィ大佐が譲歩しやすい環境も生まれそうだ。
カダフィ大佐は、米英のアフガニスタン攻撃を支持、大佐の息子
が運営する慈善事業団体がアフガンで拘束された米国人の救出を支
援したと伝えられるなど、リビア側は米国との関係改善に「前向き
なサイン」を送ってきた。
米国務省によると、昨年九月の中枢同時テロ後、米政府は英国で
リビア側と接触、今年一月上旬にもバーンズ米国務次官補がロンド
ン郊外でリビア政府高官と水面下で協議を続けた。両国は、リビア
が事件の責任を認め、遺族に補償金を支払う見返りに、米国が「テ
ロ支援国家」リストからリビアを外すことで合意を目指していると
される。
米国の制裁解除をてこに投資増を狙うリビアと、豊富なリビアの
石油資源に関心を示す米産業界の影響を受けるブッシュ政権の利害
が一致していることも双方が歩み寄りを模索する背景にある。
米政府はテロ支援国家に指定する七カ国のうち、イラクや朝鮮民
主主義人民共和国(北朝鮮)などとは対決色を強める一方、リビア
のほかスーダンには特使を派遣するなど硬軟両様を使い分けている
。
(了) 020313 1716
[2002-03-13-17:16]