(回答先: 「捕まるから帰らないで」ベトナム、 反乱・逃亡の少数民族 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 3 月 11 日 19:13:00)
03/11 16:34 多数派移住し少数民族圧迫 価格暴落でコーヒー減反 外信411
共同
玄武岩紅土に、春は白い花が咲き乱れる樹木が、秋に黒いコーヒ
ー豆を実らせる。ベトナム中部高原ダクラク省の風物詩だ。同省は
昨年、世界生産量の5%を超える四十五万トンのコーヒー豆を収穫
、同国を四大生産国に押し上げた。だが、少数民族問題も抱える。
省都バンメトート郊外では一面のコーヒーの木が引き抜かれ無残
な姿をさらす。コーヒー畑一ヘクタールを所有する農民は「肥料が
高値で、もうからない」。今はタクシー運転手として稼ぐ。
隣接の高原三省も事情は同じ。ザーライ省ボンフン村の少数民族
ザーライの主婦プロイさん(31)もコーヒーを栽培するが「貧し
くて食べる物が足りない」。
政府は昨年「コーヒー減反」を始めた。ベトナムのコーヒー豆輸
出は一九九五年の二十五万トンが二○○一年、九十一万トンに。激
増が国際価格に跳ね返り九四年の一キロ二・八七ドルが昨年○・三
七ドルに暴落したためだ。
大産地のダクラク省は人口百九十万人のうち六十万人が、焼き畑
農法を営んでいたエデ、ムノンなど四十四の少数民族。その十万人
前後が今も貧困層。
九○年代にドイモイ(刷新)路線が本格化し換金作物の栽培が奨
励された。ダクラク省などでは、植えてからわずか二年で実り国際
市場に売り込めるコーヒーの作付けが急拡大した。
しかし、豊かさを求めた政策は、他の地域から一獲千金を狙った
多数民族キンの人々の移住を呼んだ。同省だけで五十万人近いとも
いわれる。少数民族は圧迫感を抱き、しばしば土地争いが起きてい
る。
農業がコーヒーに偏重した揚げ句の暴落は、混乱に拍車を掛けた
。同省のグエン・バン・ラン知事によると、農業税収が例年の五百
億ドン(約四億四千万円)から昨年は二百億ドンに激減し、コーヒ
ー農家六千世帯に五十億ドルの債務を減額した。今年の減産目標は
五万トンという。
ラン知事は建設中のホーチミン道路に期待を懸け「三大都市ホー
チミン、ハノイ、ダナンに新鮮な果実を供給できる」と、新たな換
金作物への転作を考える。
だが、大多数の農家が一つの作物に集中するような現象が再発し
ないのか、疑問はぬぐえない。(バンメトート共同=松尾康憲)
(了) 020311 1634
[2002-03-11-16:34]