アメリカの分裂が重苦しいのならば、日本の政局はまた別のもののようです。鈴木宗
男問題などは、さっさと議員辞職に追い込んで刑事立件するなりしてしまえば良いも
のなのに、毎日のように延々とNHKのニュースで時間が割かれるのはどうしてなの
でしょう。そうこうするうちに、いつのまにか、現実の北方四島との交流は全て汚れ
たイメージをつけられています。一方で、ワシントンでは民主党関係者に人脈が多く、
対中国政策にも通じていた加藤紘一氏は、事務所の佐藤代表の問題から完全に失脚状
態で派閥も雲散霧消、名門の宏池会は軽武装政策の部分が消えて、古い財界と癒着し
た部分だけが堀内派として残る格好です。これでは保守本流どころか、本流転じて濁
流というところでしょう。
鈴木、加藤両氏の問題は、確かに政治の遅れた部分の象徴であって処断が求められる
ところです。なによりもこうした問題は、国勢調査権、刑事法廷、民事法廷などの公
式のシステムで処理すべきで必要な法改正が急がれます。ですが、その影で対ロシア、
対中国の現実的な交渉窓口や、軽武装政策などの支持勢力を解体しようとしているの
なら、これは重大な外交方針の転換であって、与野党の論戦や民意を問わねばできな
いはずです。私の恐れが杞憂であれば良いのですが、もしもこうした陰謀のような方
法で世論を煙に巻きながら外交方針を動かそうと言うのならば、伏魔殿の新たな主こ
そ魔女の中の魔女と言わねばなりません。