【原文↓】
http://www.boj.or.jp/press/kisha117.htm
【抜粋】
(問)
先日、財務大臣は国会で日銀特融に対しては政府保証を付ける考えはないと明言されていたが、ペイオフ解禁以降、日銀特融が返済されるということを担保する体制を確保するということは、日銀特融発動の4原則の4番目を考えるうえで非常に重要となってくると思われるが、その点についての見解如何。
(答)
講演の中でも申し上げたとおり、4原則というものは現時点で変更する必要はないと思っている。そうした中で、特融を要請された場合に政府保証を求めるかどうかということについて、実際まだ具体的なことを話し合ったり方針を決めた訳ではない。これは、実際のケースに応じて考えることだとは思うが、今の時点で申し上げるのは、4原則に則って考えていくということしか申し上げようがないと思う。4原則中の第4番目の日銀の財務の健全性に配慮するということが、直ちに、政府の保証を求めるとお読みになったのであれば、必ずしもそうではないと私は解釈している。
(問)
まだ健全とみなされている金融機関が風評により流動性不足に陥った場合に、特融によって対応すべきであるとの考えを持っているとのことだが、そうした場合、破綻前に金融機関に特融を出す条件として、審議委員が考えているのは不良債権のところをまずきちんとやってほしいという点であると感じた。そういう意味では、公的資金注入も含め不良債権処理が抜本的に進むことが日銀特融の条件になるのか、そこら辺をもう少し整理して教えて欲しい。
(答)
特融というものは、これがなければ出ないといったことではなく、システミックリスクがあるという大前提の下で、その他の原則に照らして動く訳である。これは、突然必要になることもある。その際大事なことは、その時の金融システムを巡る環境、マーケットの状況、あるいは経済の状況がどういうものであるかということだと思う。たとえば、安定化した状態の下では、特融が必要でないケースであってもシステムの状態、市場の状態、経済の状況によっては、特融が必要不可欠であると判断するかもしれない。だから、特融が、たとえば金融危機対応会議を絶対的な前提条件としてしか考えられないということはないと思う。
(問)
米ドルと米ドル債購入の話の中で、如何なる状況下でも考えない訳ではないと話されたが、先程デフレスパイラルという話もあったが、審議委員が想定する状況というのはどういうことが考えられるのか。
(答)
それをお答えするのは非常に難しい。ここ2年ほど長期国債の点についても色々な方からご質問を頂いたが、それも含めて「これはやらないということは絶対に言わない」と言ってきている訳である。まったく経済・金融情勢というのはどういうことになるか分からないし、その時になって絶対に必要ということであればその時点で考えるという主旨である。