03/03 02:00 船尾は開閉可能な特殊構造 中国漁港「石浦」の名も 社会31
共同
東シナ海の海底に沈没している不審船を海上保安庁が調査した結
果、船尾に開閉部分を設けた特殊構造となっていたうえ、中国の漁
港を示すとみられる「石浦」の漢字二文字が記されていたことが二
日、分かった。
政府と保安庁は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作船と
みられる不審船が、日本側の警戒を逃れるため中国漁船を装った疑
いが強いと判断。船尾の特殊構造は、搭載している上陸用ボートな
どを海上に降ろすための開口部とみている。
これまでの調査結果を踏まえ、保安庁などは船体や周辺で見つか
った銃器類を引き揚げ、不審船の国籍や航行目的などを詳細に調査
する方針。
昨年十二月二十二日、同庁の航空機や巡視船が不審船を追跡中に
撮影したところ、左舷と右舷に「長漁3705」との船名が記され
、イカ釣り用ランプを掲げていることを確認した。中国・浙江省に
石浦漁港があり、船尾の二文字は同漁港に所属していることを装っ
たとみられる。
当時、熱源を特定する赤外線装置で調べた結果、通常の船舶と異
なり、前方にエンジンルーム(機関室)があり、後方は上陸用ボー
トなどを装備できる特殊な構造になっている疑いが濃厚になってい
た。
政府は、船体構造や北朝鮮の高級たばこ「リョカタンベ」が沈没
海域で見つかったことなどから、北朝鮮の工作船の可能性が高いと
している。
二月二十五日から三月一日までの五日間に実施した水中カメラ調
査では、ライトや煙突などが周囲に散らばっており、操舵(そうだ
)室付近は沈没直前の爆発で損傷したもようだ。
(了) 020303 0200
[2002-03-03-02:00]