03/02 06:48 暴動の死者約300人か インド、過去10年で最悪 外信09
【ニューデリー2日共同】インド西部グジャラート州の列車放火
事件に端を発したヒンズー教徒とイスラム教徒による暴動で、AP
通信は一日夜、死者が二百九十五人になったと報じた。モディ同州
首相は一日、死者は百三十六人で事態が収束に向かっているとの見
方を示していたが、集落襲撃や放火で死者が拡大、インドで過去約
十年間で最悪の宗教抗争となった。
同州の中心都市アーメダバードからの報道では、同州パンダルバ
ダで一日、隣接集落から来た武装集団が家屋に放火、少なくとも三
十人が死亡。アーメダバード郊外ナロラではヒンズー教徒の集団が
イスラム教徒が多く住む地域を襲い、計五十二人が死亡するなど暴
動の犠牲者が増えた。
軍が州内に展開、事態収拾にあたっているが、地元では暴動拡大
に軍が追いついていないとの声もある。
ウッタル・プラデシュ、ラジャスタン、ジャム・カシミール各州
なども両教徒間で小競り合いがあるなど緊張が続いている。
ニューデリーではバジパイ首相が一日、与野党党首らと会談、各
宗教グループ間の協調を呼び掛ける共同声明を発表した。
先月二十七日にグジャラート州ゴドラの駅で起きた列車放火事件
では、北部アヨドヤのイスラム教寺院跡地にヒンズー教寺院建設を
訴えていた活動家ら五十八人が焼死。イスラム教徒が放火したとみ
られる。一九九二年にこのイスラム教寺院をヒンズー教過激派が破
壊した際は両教徒の抗争で約二千人が死亡した。
(了) 020302 0647
[2002-03-02-06:47]