【ワシントン1日時事】
米国務省は一日、二○○一年の国際麻薬取り締まり報告を発表し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの麻薬が引き続き、「日本と台湾にとって重大な問題になっている」と指摘した。
報告書は、(1)今年一月七日、福岡県沖で中国の漁船から覚せい剤約百五十キロが押収され、覚せい剤はこの漁船が北朝鮮の船から受け取った荷物だったことが分かった事件(2)二○○○年十二月に台北の倉庫で、北朝鮮から運ばれたヘロイン百三十四キロが見つかった例―などを紹介。北朝鮮と中国人の密売人の協力関係が強くなっていると指摘した。
報告書は日本に関し、「主要な麻薬生産国ではないが、アジアにおける最大の覚せい剤市場の一つと考えられている」と述べた。また、麻薬に関係するマネーロンダリング(資金洗浄)でも主要拠点であるとし、組織犯罪対策法の厳格な適用など取り締まりを強化するよう改めて注文を付けた。
一方、報告書は、アフガニスタンを支配していたタリバン政権がアヘンなどの原料となるケシの栽培を禁止したため、ミャンマーが再び世界最大のアヘン生産国になったことを明らかにした。しかし、アフガンではタリバン政権崩壊を機にケシ栽培を再開する兆候も見られるとしている。