【ワシントン=秋田浩之】
ブッシュ米大統領は1日、テロ集団による新たな攻撃に備えて、ひそかに「地下政府」を創設したことを明らかにした。ワシントンが壊滅状態に陥る場合を想定し、ワシントン以外の場所にもあらかじめ政府当局者らを寝泊まりさせておく措置で、テロ攻撃に対する米政府の警戒感の強さを浮き彫りにするものだ。
大統領は遊説先のアイオワ州で地下政府設置の目的について「だれかがワシントン攻撃に成功しても、政府が継続するようにしておく必要がある」と説明。そのうえで「アルカイダやテロリスト集団からの脅威を深刻に受け止めている」と述べ、追加攻撃を受ける危険性は消えていないとの認識を示した。
緊急事態を想定して地下政府を設ける構想は、米国が核攻撃の脅威にさらされた冷戦時代にも検討されたとされる。米ワシントン・ポスト紙によると、地下政府はすでに米東部にある極秘の地下施設2カ所に存在し、主要機関を代表する政府当局者70-150人が常時待機している。