【ワシントン中島哲夫】
米国防総省当局者は9日、米海軍主導の代表団が早ければ5月にも台湾を訪問し、米国が台湾に売却する予定のディーゼル潜水艦の設計などについて選択肢を提示すると述べた。台湾の湯曜明国防部長(国防相)が3月に訪米するなど米台接近が目立つ中で、再び中国の反発が予想される。
台湾へのディーゼル潜水艦売却は、昨年4月に米政府が決めた総額約1兆円に上る武器売却の一環。米国内、国外の7社から14件の設計案が国防総省に寄せられ、代表団はこの詳細を台湾側に説明するという。
湯国防部長の訪米に対する中国政府の反発は極めて強い。今年後半に予定されていた中国艦隊の訪米計画の取り消しが濃厚になったほか、今月末とみられる胡錦涛・国家副主席の訪米実現が危ういとの見方も出た。
しかも8日には、湯氏とフロリダで非公式に会談したウルフォウィッツ国防副長官が、台湾防衛の支援のためなら「何でもする」と語っていたとの報道も流れ、中国側の神経を逆なでしている。 しかし国防総省当局者は9日、胡副主席は予定通り訪米し、今月中に上海で開催予定の軍事・海事に関する米中協議も計画通り実施されると語った。