イスラエル軍は9日夜、先月末の軍事侵攻開始から初めてF16戦闘機を繰り出し、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ナブルスを爆撃した。死傷者の有無は明らかになっていない。
西岸北部のジェニンでは9日、難民キャンプに立てこもるパレスチナ武装勢力の反撃で、1日の犠牲としては最多となるイスラエル兵13人が死亡。ナブルスなどでも依然、パレスチナ側の抵抗が続いており、戦闘機による空爆は、同軍の被害を最小限に食い止める狙いがあるようだ。
シャロン首相は9日、同国のテレビに対し、パレスチナ武装勢力を壊滅するまで軍事作戦を続ける方針を改めて表明した。さらに、同首相は同日夕、近く同国を訪問するパウエル米国務長官がアラファト・パレスチナ自治政府議長と会談することについて強い難色を示した。
同国のハーレツ紙(インターネット版)などによると、首相は米国のユダヤ人協会代表との会合の席上、長官と議長が会談すれば、「悲劇的な間違い」をもたらすと述べた。
長官は同日、エジプトのムバラク大統領との会談後、議長と会談する方針を明確に表明しており、首相はこれに強い不快感を示したものとみられる。首相は10日の閣議で、長官と議長の会談について協議する意向だ。(10:45)