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■■コラム■■ 片山総務相に期待 (太田 阿利佐)
総務省は10月25日、電子入札システムの運用を開始した。そのオープニングセレ
モニーで、ちょっとしたハプニングがあった。片山虎之助総務相が、会場のパソコン
でシステムを稼動させようとした、ちょうどその時である。
「あれ?あれ?動かんぞ」。そう言いながら、片山さんは、パソコンのモニター画
面に大きく映し出された「開始」のアイコンを、指でぐいぐいと押していた。一瞬、
会場は静まり返り、一瞬後にカメラマンから「おおーっ」という低いどよめきが起き
た。
片山さんがパソコンの前に着席してから、職員がマウスでカーソルを「開始」に合
わせ、「大臣、ここを」と左クリックの方法を教えていたが、片山さんは、モニター
を見詰めていて気が付かず、タッチパネルと勘違いしたらしい。
「電子政府、電子自治体の旗振り役の総務省の大臣がこれでは、日本の未来は暗
い」という声が聞こえてきそうだ。「住基ネットが頼りないのももっとも」と言う人
もいるかもしれない。でも私は、片山さんこそ総務相にふさわしい、と思う。
電子政府や電子自治体の利用者は、パソコンに詳しいとは限らない。全国民が対象
なのだ。片山さんのように、(繰り返してごめんなさい)パソコンモニターとタッチ
パネルの区別が難しい人々でも、安心して簡単に使えることこそ求められている。要
は、片山さんが「これなら簡単」というようなシステムを作ればいいのである。
その点を頭に入れて、政府認証基盤(GPKI)について考えてほしい。総務省の担当
者は「利用者の利便性を考えると、インターネットとブラウザーの利用は避けられな
い」と言う。全くその通りだ。だが、(繰り返してごめんなさい)片山さんのような
方々にとって、ブラウザーにルート証明書を組み込み、なおかつフィンガープリント
を確認することは容易だろうか。
そのうえで、「ブラウザーにルート証明書を安易に組み込んだら危険だ」というこ
とを理解、徹底させ、なおかつ暗号化されていないサイトからダウンロードしたルー
ト証明書が、万一改ざんされて被害が発生した場合の法的責任について、納得してい
ただくことができるだろうか。
改めて申し上げる。片山さんは(繰り返してごめんなさい)パソコンは得意ではな
いかも知れないが、選挙民の信頼を得た国会議員だ。並の人々より、ずっと有能な人
なのだ。それでも、IT機器を使いこなすのは容易ではない、ということを私たちに身
をもって教えてくれた。
総務省側は、フィンガープリントの確認サイトのためだけにでも、標準的な暗号化
方式SSLを利用することについて、「民間認証機関が発行するサーバー証明書が必要
で、認証の根底には政府認証基盤ではなく、民間認証機関を置くことになって問題」
とコメントしている。
要は体面の問題なのだろうか。たとえ、民間認証機関として海外企業を採用したと
しても、電子申請システムのセキュリティー、信頼性、利便性が高まり、利用の広が
る方がずっと日本のIT産業活性化に役立つのではないか。
ということで、片山さんのリーダーシップに期待したい。会見などで拝見する限
り、片山さん(これが最後です)はユーモアがあり、考え方の柔軟な方だ。住基ネッ
ト調査委員会に、いわゆる反対派の論客を入れたのも片山さんの決断と聞く。ただひ
とつ気になるのが……インターネットでこのサイトを……見てくれるだろうか。
[非公共事業の電子入札システム 総務省で稼動]
http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200210/25/index.html
[「電子政府の認証基盤に重大欠陥」 情報処理学会で論文発表]
http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200211/01/index.html
[総務省電子申請システムの欠陥問題、学会は“認定” 今後論争も]
http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200211/01/2.html
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1036831821/