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埼玉県草加市で85年、女子中学生(当時15歳)が殺害された「草加事件」の遺族が、加害者とされた少年(当時)6人のうち3人の両親に賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁は29日、訴えを退けた1審を支持し、遺族側の控訴を棄却した。矢崎秀一裁判長は「事件と元少年らを結びつける唯一の直接証拠である自白は信用できない」と述べた。
元少年5人は少年審判で刑事裁判の「有罪」に相当する少年院送致の保護処分(他の1人は教護院に入所)を受けたが、冤罪(えんざい)を訴えてきた。事件から17年を経て、民事訴訟で「無罪」と認定されたことになる。
捜査段階の自白の信用性が最大の争点となった。判決は(1)基本的な部分で変遷している(2)当事者しか知らない事実を明らかにする「秘密の暴露」がない(3)自白を裏付ける客観証拠がない(4)被害者からAB型の体液や血液が採取され、AB型の者による犯行との疑念があるが、元少年の中にAB型の者はいない――ことなどを挙げ、自白の信用性を否定した。
さらに「警察官の執拗(しつよう)な追及や、誘導・示唆によって虚偽の自白が創作されたことも十分考えられる」と指摘した。
浦和地裁(現さいたま地裁)は93年、「少年らの自白は信用できない」と判断し、元少年らの事件への関与を否定したが、東京高裁判決(94年)は逆に「元少年らによる殺害」と認定し、4600万円余の賠償を命じた。これに対し最高裁第1小法廷は00年、自白の信用性を疑問視して2審判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻していた。 【森本英彦】(毎日新聞)
[10月29日13時38分更新]