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ウラン残土問題で控訴審 広島地裁
鳥取県東郷町の方面(かたも)自治会が、核燃料サイクル開発
機構(核燃)に、約40年にわたって放置されているウラン残土
の撤去を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が18日、広島高裁
松江支部(宮本定雄裁判長)で開かれ、核燃側は住民勝訴を言い
渡した一審鳥取地裁判決を「実効性がない」と批判した。
口頭弁論で核燃側は「残土を受け入れる自治体の協力なくして
撤去はできない」と主張。住民側は「岡山県との関係で同意を得
なければいけない法的根拠はない」として、控訴の棄却を求め
た。宮本裁判長は、和解によって解決を図りたいとし、核燃、住
民側も同意した。
閉廷後の会見で核燃側は、和解のための協議に鳥取、岡山両県
に利害関係人として参加を求めたいとの意向を明らかにした。
これに対し、住民側は「早急な撤去が実現しない限り、和解に
は応じられない」と速やかな撤去が和解の前提との従来の考えを
繰り返した。
今年6月の鳥取地裁判決では、住民と核燃が1990年に結ん
だ協定書の「(岡山県など)関係自治体の協力を得て撤去する」
との文言について、「自治体の協力を得るのに必要な合理的期間
は既に過ぎている」として核燃側に撤去を命じ、住民側が全面勝
訴。核燃が7月、控訴していた。
訴状などによると、自治会と核燃側は90年、残土のうち、最
高で一般人の年間被ばく限度の約5倍のレベルを示す約3000
立方メートルの残土を撤去する協定を結んだが、撤去は実現して
いない。
ウラン残土問題 1958−63年の原子燃料公社(現在の核
燃料サイクル開発機構)によるウラン採掘に伴って掘り出された
鉱石まじりの土砂が鳥取・岡山県境の人形峠周辺で約46万立方
メートル発生、放置された。鳥取県東郷町方面地区では約1万6
千立方メートルが見つかり、大半は表面を土で覆うなどしたが、
地元自治会は放射線量の多い3千立方メートルの撤去を求めて、
2000年11月、提訴した。
◇
【ウラン残土問題の経過】
1958−63 原子燃料公社(現核燃料サイクル開発機構=
核燃)が人形峠周辺でウランを試掘
88・8 ウラン残土の放置が発覚
90・8 鳥取県東郷町方面自治会と動力炉・核燃料開発事業
団(動燃、核燃の前身)が撤去の協定書を締結
9 岡山県知事が搬入に反対表明
97・9 鳥取県が東郷町に町内保管を申し入れ(後に地元自
治会が反対)
99・12 方面地区の住民らが残土の一部を核燃人形峠環境
技術センターに強制搬入
2000・11 方面自治会が核燃に撤去を求め提訴
02・6 一審鳥取地裁が核燃に撤去を命じる原告全面勝訴の
判決
7 核燃側が控訴
10・18 控訴審第1回口頭弁論
http://www.sankei.co.jp/news/021018/1018sha074.htm