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<地震電流>発生と同時に初観測 揺れ前の対応可能に 科技研
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の研究チームが、地震で地殻が滑る瞬間に流れる電流の変化を、約100キロ離れた地中で、地震発生とほぼ同時に観測することに初めて成功した。効果的な観測方法が開発できれば、地震波が到達する数秒から十数秒前に発生をキャッチできることになる。直下型でも揺れ始める前に発生をキャッチできる可能性が期待でき、新幹線を減速させたり、飛行機の発着を停止するなど防災のための緊急対応に活用できるという。
研究チームが観測したのは、今年6月14日午前11時42分49秒に茨城県南西部で発生したマグニチュード(M)4.9の地震。震源から約100キロ離れた波崎町に埋設した電極(長さ約800メートル、直径10センチ)で、地震発生とほぼ同時刻に、電界の変動数値が上昇を始めたのを確認した。
この地震では、初期微動を生む縦波のP波(秒速約6キロ)は電界の変動から約15秒後に波崎町に到達、建物などに被害を与える揺れを起こす横波のS波(同約4キロ)は約25秒後に到達した。
研究チームは、地震によって超低周波の電流が生じ、電界の変動は秒速100キロで地中を広がったとみている。
海外では地表の電位差を測定して地震の前兆をとらえ発生を予知する研究が進められているが、発生直後の地中の電流の変化をとらえたのは初めてという。
現在あるS波とP波の時間差を利用し地震発生直後に震源とMを推定する地震情報システムに、電界変動のデータが加われば、例えば震源から50キロの観測点では、地震発生を0・5秒後にキャッチでき、P波到達まで約8秒、S波到達まで約12秒の余裕が生まれる。
藤縄幸雄プロジェクトディレクターは「地震発生情報を関係地域のコンピューターに送り、警告音で知らせたり、自動制御システムと連動させれば、緊急時の対応や避難をする余裕ができる。今後は実用に向けた検証を進めたい」と話している。この成果は11日から横浜市で始まる日本地震学会で発表される。 【永山悦子】(毎日新聞)
[11月9日15時30分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021109-00001064-mai-soci