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レーザー光線で青木ケ原樹海の地形図作製
国交省富士砂防工事事務所
が、レーザー光線を使った新し
い方法で、富士山麓(さんろ
く)・青木ケ原樹海の詳細な地
形図を作った。飛行機から地面
に光線を当て、跳ね返ってくる
時間を計る方法で地表の凹凸を
分析。従来の航空写真による地
形図では分からなかった地表の
様子がはっきり分かった。遭難
対策のほか、過去の噴火でどの
ように溶岩が流れたかも分か
る。実際、樹海にあった110
0年前に噴火したときの新たな
火口も見つかったといい、富士
山噴火の研究にも役立ちそう
だ。
富士山北西部の青木ケ原樹
海は、1100年前の「貞観噴
火」で流出した溶岩の上に広が
る。鬱蒼(うっそう)と茂る樹
木で昼も暗く、溶岩の磁気の影
響で方位磁針が狂うことで有
名。地形も複雑で遭難者も多く、迷ったら出られない「魔の樹海」と呼ばれる。空中写真
では樹木の下が分からないため、これまでの地形図が実際の地形と異なることも遭難の原
因の一つだったという。
今回の調査では、上空2千メートルを秒速70メートルで飛ぶ飛行機から、1秒間に
約3万3千地点の地表までの距離を測る「レーザー測距装置」を利用。カーナビなどにも
利用されている全地球測位システム(GPS)を使って飛行機の高度を確定させて地表ま
での距離を標高に換算し、1メートル単位での標高を測った。
調査した小山真人・静岡大教授(地質学)は「周囲5メートルの地形から現在地が分
かるほど精密。この地形図があれば、今後は迷わなくても済むのではないか」と話す。
小山教授らはこの地形図で大室山の北西に割れ目火口のような地形を見つけ、現地調
査を実施。貞観噴火時の火口を新たに発見した。3200年前以降、北西側では富士山頂
からもっとも遠い火口だという。
この結果は9月27日に開かれた政府の富士山ハザードマップ検討委基図部会にも報
告され、富士山火口の分布領域が修正された。噴火のシミュレーションをやり直す必要も
出てきたという。
貞観噴火時の溶岩の流れ方も詳しく判明したため、これまでよく分かっていなかった
当時のマグマ噴出量についても「かなりの精度で推計できる」(小山教授)という。
レーザーを使った地形図作成は全国的にも例が少ないが、小山教授は「樹木に隠れて
いる活断層の発見や調査など、地震の研究にも非常に有用だ」と話している。
(11/1)
http://mytown.asahi.com/yamanashi/news01.asp?kiji=4075