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【要旨】
86年の伊豆大島三原山噴火の1年前と、91年のフィリッピン・ピナツボ火山の直前に、1秒間に1,2回しか揺れない低周波地震が観測されていたが、この低周波地震が一昨年の10月頃から、富士山で活発化してきている。そして、これに歩調を合わせるかのように、東海地震の想定震源域にも異常がでてきたのだ。昨年、人口衛星を使ったGPS(全地球測位システム)が東海地域の地殻変動の異常を観測、国土地理院は「この地殻変動が加速すれば、東海地震につながる」と重大な危機感を募らせた。
昨年秋、鹿児島市で開かれた日本地震学界では、これまでタブー視されてきた東海地震の発生時期予測の発表が2件あった。また、春の学会でも、東京大学の助教授が、御前崎の沈降の変化から発生時期を予測している。その結論は、いずれも、2005年までの発生だ。