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ひまわり5号、燃料残りわずか 気象観測綱渡り続く
設計寿命を超えた気象衛星「ひまわり5号」の代役となる米国の予備衛星の利用計画が、気象庁
で固まった。来年初めに東太平洋上空から西への移動を始め、3月末からパプアニューギニア付近
上空に到着して、ひまわりの不調に備える。すでにひまわりは一部の観測をやめ、位置修正用の燃
料も残り少なくなった。米国の衛星も設計寿命を超えており、後継機の打ち上げまで、衛星観測は
綱渡りが続く。
計画では、ひまわりの東側赤道上空に米国の衛星「GOES9号」を待機させる。ひまわりが撮
影できなくなったら、その場所で撮影を始め、ひまわりは各国に画像を送るための通信衛星として
利用する。
00年3月に設計寿命を過ぎたひまわり5号は、後継の予定だった運輸多目的衛星(MTSA
T)が99年11月にロケット打ち上げに失敗したため、利用が続いている。新MTSATは来夏
の打ち上げ予定で、使えるようになるのは03年末。それまで、ひまわり5号かGOESで観測を
続けなければならない。
ひまわり5号の残り燃料は5〜6キロ。東西方向の位置修正や姿勢の制御に年間1キロ必要なほ
か、後継のMTSATに場所を譲り、軌道を離脱させるために4キロ必要なため、余裕はあまりな
い。このため、燃料を多く使う南北の位置修正はやめ、赤道上空で「8」の字を描いて飛行してい
る。アンテナの方向が合わず、受信映像の画質が落ちるなどの影響も一部に出ている。
GOES9号も問題を抱える。打ち上げは95年5月で、米国が運用を終え、東太平洋上空で待
機していた。ひまわりより大型のため、燃料に余裕はあるのが救いだが、00年5月に設計寿命の
5年を過ぎている。
GOESの準備ができる前にひまわりが壊れたり、両方が使えない状態になった場合は、地球を
南北に回っている米極軌道衛星「NOAA」の映像が使える。だが、6時間に1回の撮影しかでき
ないといい、観測回数が大幅に減り、台風の観測などに支障が出る恐れがあるという。
気象庁の気象衛星室は「綱渡りだが、観測は継続できると思っている」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/0908/022.html