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「アジアの茶色の雲」で数百万人死亡? 科学者が警告
2002.08.13
Web posted at: 07:56 JST
- CNN/AP/REUTERS
香港――人間のさまざまな活動が生み出す煙などの微粒子(エアロゾルと呼ばれる)が作る雲が南アジアに広がっており、人間の健康に悪影響を与えたり、太陽光線を遮断して大規模な気候変動を起こしたりすることが懸念されている。26日から南アフリカで開かれる国連環境開発サミットを前に、国連環境計画がロンドンで記者会見して明らかにした。
「アジアの茶色の雲」と呼ばれるこの雲は、約3キロの厚さがあり、インド亜大陸をすっぽり覆うような形で広がっている。1995年から00年にかけての冬、船舶や航空機、人工衛星から集められたデータを科学者約200人のグループが分析した結果、その広がりぶりがわかった。
この雲のため、呼吸器系の病気で毎年数十万人、合計では数百万人が死亡する可能性があり、地表に到達する太陽光のエネルギーが10―15%減ることで、気温が下げる可能性もあるという。
この雲のもとになるエアロゾルは、森林火災など自然現象からも発生するが、8割が人間の活動に由来する。アジア地域の工業地帯からの排出物や、石炭など化石燃料の燃焼、アジアで広く行われている低効率のかまどでの煮炊きなどがその源だ。
これまで、気候変動の要因としては、二酸化炭素など温室効果ガスに注目が集まっていたが、グループは「エアロゾルの雲の影響も注目すべきだ」と話している。
またこの雲は、酸性雨の原因になることもわかっており、作物や森林資源への影響も懸念される。インド国立物理学研究所のA・P・ミトラさんは「雲はこれまで考えられているよりかなり大きかった」と話している。