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(回答先: 石原都知事が米国へ出発〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 10 月 06 日 14:59:38)
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/y2002/isihar.html#04
アカシックレコード
■石原訪米の謎〜「ポスト小泉」への面接試験か■
【今回は「小泉訪朝は米国の罠か」の関連記事です。】
前回の記事で、小泉首相が「海自イージス艦のインド洋派遣見送り」と「柳沢金融担当相による不良債権処理の遅延」で、ブッシュ米大統領の期待を裏切ってきたので、首相は大統領の「報復」で罠にはめられて、実現するはずのない日朝国交交渉に追い込まれ、政権を失うかもしれない、と述べたところ(まさか首相が小誌を読んだわけではあるまいが)その後、2002年9月30日の内閣改造で柳沢を更迭し、防衛庁長官にはイージス艦派遣に前向きな石破茂・自民党衆議院議員(02年9月27日放送のテレビ朝日『朝まで生テレビ』で本人が発言)を抜擢して「対米配慮」を見せた。
が、石破の入閣には別の意味がありそうだ。
●「新拉致議連」分断工作?●
10月1日、9月の日朝首脳会談を受けて訪朝した、政府(外務省)の「拉致調査団」が帰国した。その調査結果は10月2日昼過ぎに安倍晋三・内閣官房副長官の記者会見で明かされた。が、それに先立つ午前11時51分からの、首相官邸大会議室前での報道各社とのインタビューで、小泉は「(1日に帰国した調査団の)第一陣の調査に対しては(北朝鮮側は)誠意を持って対応したようだ」と述べた(産経新聞02年10月3日付朝刊5面「小泉日誌」)。もちろん、この時点で小泉は調査団の報告を詳細に知っている。
ところが、その直後に明かされた調査団の報告内容は「亡くなった方のお墓はほとんどすべて洪水で流されて遺骨は紛失」「有本恵子さんら一家3人は石炭ストーブのガス中毒で死んだ」「田口八重子さんと松木薫さんは田舎で交通事故死」といった、まったくばかげたものだった(重村智計・元毎日新聞ソウル特派員によれば、拉致された日本人の暮らす「招待所」の暖房はほとんど電気で、北朝鮮の田舎には事故が起こるほど車は走っておらず、幹線道路でも「30分に1台」)。
にもかかわらず、政府(小泉内閣)は、10月中に国交正常化交渉にはいるという。つまり、小泉は「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」の公約を反故にし(焦って?)売国的な対北朝鮮外交に乗り出す疑いが濃厚になった。
となると、「北朝鮮側は誠意を持って対応していない」と思っている、少なからぬ日本国民、とくに拉致被害者の家族と、彼らを支える「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(新拉致議連)は、小泉の最大の敵となりうる。
9月17日の日朝首脳会談を契機に、それまで報道各社の世論調査で50%台だった小泉内閣の支持率は20%前後上がり、軒並み70〜80%台になった。これをもって、小泉訪朝は国民に支持された、と解釈する意見が少なくない。が、実はこれは小泉の政権基盤の安定にはつながらない。
思い出してほしい。02年1月に田中真紀子外相を更迭するまで、小泉内閣の支持率は7割前後あった。が、更迭により、支持率は20%前後下がった。つまり、今回の支持率の「再上昇分」は、田中更迭の「損失補填」なのだ。
周知のごとく、田中は対北朝鮮・対中国弱腰派だ。2001年春に金正日総書記の息子の金正男が成田空港税関で偽造旅券で摘発された際、田中は外務省の親中国・北朝鮮派(チャイナスクール)に同調し、金正男をVIP扱いで中国に逃がした。金正男の身柄を警察で押さえて「拉致被害者と交換する」という絶好の交渉の手段を捨てるのに一役買ったわけだ。
田中は、米国の推進するミサイル防衛(MD)構想に反対し、中国の「御用聞き」をして首相の靖国神社参拝にも反対し、日本国内の「左翼」を喜ばすことばかりしてきた。一方、小泉は田中更迭後、02年4月の靖国神社への参拝、有事立法の法案提出、8月の住基ネットの稼働など左翼の嫌うことを繰り返し、この間内閣支持率は50%前後で推移した。
ところが、小泉訪朝が実現すると、それは自民党(外交部会の多数派)、自由党、民主党右派、石原慎太郎都知事、産経新聞など主として「保守良識派」(タカ派、親台湾派=米共和党に近い)によって酷評され、反面、社民党、共産党、民主党左派(横路孝弘・元北海道知事)など主として「(元)左翼」や「平和主義者」(ハト派、親中国派)によって称賛された。
つまり、今回の小泉の支持率再上昇は、たんに02年1〜8月に失われていた「左」の支持が戻ったにすぎない。この「左」の勢力は、選挙ではおもに左翼(親中国・北朝鮮)的な政治家に投票し、小泉の本来の勢力基盤(自民党森派など)に投票することはまずない。ただ、世論調査のアンケートで、小泉内閣(の北朝鮮外交のみ)を「支持する」と言っただけで、べつに「投票する」とは言っていない。
さらに、今後、日朝交渉の過程で、北朝鮮側の「拉致」についての残虐な真相(または真相解明をはばむ不誠実な態度)が明らかになれば、新拉致議連を中心に小泉非難の声が高まり、「右」(保守良識派)の支持率は下がるはずだ。とすれば、小泉内閣の支持率は、実質的には50%以下と見てよい。
【しかも、「拉致」を北朝鮮の犯罪として十数年前から一貫して報道してきたのは新聞では産経だけで、「左」の人々は産経を極右紙と思い込んで無視または軽蔑してきたので、北朝鮮の下劣な正体をあまり知らず(なかには「拉致報道」は産経の捏造と思い込んでいた人もいたほどで)北朝鮮のことを「(日本側が過去の侵略について謝罪と反省をして)国交正常化交渉を続けていけば『正常な国』になる」と誤解している恐れがある
北朝鮮はここ数年、英国やイタリアなど西側のまともな国と国交を正常化しているが、正常できるのは国交だけで、北朝鮮という国自体は依然として金正日によって「異常化」された、下劣な独裁国家のままだ。
「日本が国交正常化交渉を行うことが、北朝鮮をまともな国際社会の一員にする、つまり国自体を正常化することにつながる」
と信じている方々には、ぜひその根拠をお教え頂きたい。これまで、日本がコメ支援をし、韓国が太陽政策でさまざまな経済援助を与えても、結局この2002年に、日本には人をばかにしたような拉致事件の「真相」をよこし、韓国にはW杯サッカー開催の真っ最中に黄海上での銃撃(韓国海軍兵士の虐殺)で応えたではないか。あの国は金正日政権が倒れるまで、絶対に「正常化」などしないのだ。
この厳然たる事実はいずれ「拉致事件」への対応をめぐって、万人の前に明らかになるだろう。そのとき、「左」の浮動票はたちまち小泉から離れ「小泉訪朝を評価する」という世論も急減するはずだ。】
今後、小泉内閣が米国の要請に応じて(応じなければ潰される恐れがあるので)イージス艦派遣を決めたり、米国の対イラク攻撃を支持したりすれば「左」の支持はすぐ離れるし、不良債権処理が進めば(必要悪ではあるが)経営の苦しい企業の倒産が相次ぐから族議員や小泉構造改革の「抵抗勢力」は反発する(反対に、不良債権処理が進まなければ、保守良識派や財界、市場、米国の支持も離れる)ので、結局小泉内閣は遠からず、左右両方の非難を浴びて瓦解すると考えられる。
10月に召集される臨時国会は12月に閉幕するが、例によって会期末には野党は衆議院本会議に内閣不信任案を出すはずだ。与党3党は衆議院で過半数の議席を有しており、また政党政治の原則からいって与党所属議員はよほどのことがない限り野党提出の内閣不信任案には賛成しないので、それが可決されて小泉が衆議院の解散・総選挙に追い込まれることはなさそうに見える(2000年の「加藤政局」の森内閣不信任決議では、当時の加藤派から入閣していた衆議院議員、宮沢喜一蔵相と森田一運輸相は2人とも造反しなかった)。
が、いまや「拉致問題」は国民の最大関心事にして明解な「争点」であり、国家主権と人道、人権にかかわる大問題だ。この件で、小泉の弱腰を批判して不信任案に賛成したり与党を離党したりする政治家は、良識ある大多数の国民の支持を受けることは間違いない。
新拉致議連は超党派の組織で、その設立呼びかけ人の1人、西村眞悟・衆議院議員(自由党)は石原都知事の盟友だ。新拉致議連と石原が手を組めば、政界大再編につながりうる。小泉は、9月の自民党の役員人事で幹事長には盟友の山崎拓を留任させ、「選挙を仕切る総務局長は(小泉と)同じ森派の町村信孝を幹事長代理から横滑り」させ「資金を扱う経理局長は山崎派の亀井義之」を留任させて「役員の要は抑えたから」小泉内閣は当面安泰だという見方がある(日経新聞02年10月3日付朝刊2面「首相、3選に布石」)。が、それは今後も国会議員のなかに「ポスト小泉」の首相候補になりうる大物がいないことを前提にした(小泉にとっての)楽観論にすぎまい。
いまや日本で最大の発言力を持つのは拉致被害者家族で、彼らを支えているのは新拉致議連であり、その会長が石破だった。小泉は内閣改造にあたって新拉致議連から会長の石破のほか、副会長の米田健三・自民党衆議院議員も内閣府副大臣という形で閣内に取り込んだ(02年10月2日放送のNTV『ザ・ワイド』で、舛添要一・参議院議員)。これで、会期末に出される内閣不信任案への賛成票は(自分の属する内閣を自分で不信任するわけにはいかないので)2票減った計算になる。石破の入閣は、イージス艦派遣という面もあるが、むしろ「加藤政局」の経験を踏まえた小泉の、新拉致議連への造反予防策ではないか。
が、93年には野党提出の宮沢内閣不信任案に、当時経企庁、科技庁長官として閣内にあった与党自民党の船田元、中島衛が離党して賛成し、不信任案は可決されて、衆議院の解散・総選挙になった。離党した2人は小沢一郎らと新生党を結党し、総選挙後、非自民連立の細川内閣の成立に貢献している。小泉はこういう造反がありうることを経験的に知っているので今頃「93年の宮沢内閣の二の舞」に怯えているかもしれない。
●石原訪米の謎●
そんな中、唐突に石原の訪米が決まった。10月6日から7日間、石原はワシントンを訪れ、アーミテージ国務副長官、コンドリーザ(コンディ)・ライス米大統領補佐官(安全保障担当)らと横田基地返還問題を協議するという(産経新聞02年9月26日付朝刊2面)。東京都西部にある広大な米軍横田基地を日本に返還させて首都圏第3空港として利用すれば、首都圏発着の航空便は大幅に増便でき(日米航空摩擦も解消され)日本経済の発展に寄与する、というのは石原の永年の持論で、石原は01年9月にこの問題を米政府当局者と協議するために訪米したが、米中枢同時テロが起きて米国側が多忙になり、中止された。
その後、アフガンでの反テロ戦争が続く間、米国側が多忙だったことは間違いない。が、02年1月に東京でアフガン復興支援会議が開かれたあとは、テロに起因する多忙は一段落したはずだから、02年前半にはアーミテージらには石原との01年の約束をはたす機会はいくらでもあっただろう。02年後半は、米国のイラク攻撃への動きが本格化したからアーミテージらは別の意味で忙しくなったはずで、なぜ彼らが02年夏まで石原と会わずに、忙しい秋になって急に会う気になったのか、不思議だ。
さらに不思議なのは、米側の面会者である。米軍基地が議題なのに、なぜか所管官庁である国防総省の高官(アーミテージと同格のウルフォウィッツ国防副長官)とは面会せず、代わりに?ブッシュ米大統領の側近中の側近、ライス補佐官に会うという。
●東ドイツを消した女●
ライスは、父ブッシュの代から米共和党に仕える黒人の政治学者で専門はロシア(ソ連)史。保守派のシンクタンク、スタンフォード大学の教授に25歳で就任した天才だ。父ブッシュの大統領時代には、その対ソ連外交、東西ドイツの統一(東ドイツの消滅)を指南し、米ソ首脳会談の席で父ブッシュは、当時のゴルバチョフソ連大統領に「私の貴国についての知識はすべてこの先生に教わりました」と紹介した。「先生」とは老練な(男の)政治学者だろうと予想していたゴルバチョフは、あまりに若い(30代の)丈の短いスカ−トをはいた女性が出てきたので仰天したという。
親譲りの外交音痴?である息子も彼女に頼りきっており、現大統領は外交で難しい問題が起きると口癖のように「コンディを呼べ」と言う。
そのコンディが、対イラク攻撃が近づき忙しいこの時期に、日本政府の一員でなく、地方自治体の長にすぎない石原に会うという。議題が(米国にとって重要でない)横田基地問題だけであるはずはない。
仮に、会談後、石原の持論に沿って横田基地返還の方向性が米側から示されるにしろ、それは、日本に首都圏第3空港を造らせる(米国航空便の日本乗り入れを増やして日米航空摩擦を解消する)などという「額面どおり」のものではあるまい。もしライスらがそういう方向の発言をすれば(その意図がなかったとしても)日本国民に対して「石原は対米交渉能力のある、実行力のある政治家」(小泉は口先だけでなかなか改革のできない、実行力のない政治家)と印象付けることになる。
横田基地には在日米軍司令部があり、それを厚木かどこかに移すプランでもできていない限り、米側もさすがに軽々しくは「返還」とは言わないだろう。が、逆に、石原と会談する暇ができた02年1月以降、米国政府がこんにちまでそれを延ばしたのは「返還」の青写真を描くのに9か月かかったから、とも取れる。
反米的な著書『NOと言える日本』がベストセラーになっているので、石原は「反米右翼」と見られている。が、北朝鮮(や中国)という(米国よりはるかに)邪悪な敵を前にしては、彼が最近口にしているように「米国の力をうまく利用して敵に対抗する」のが得策だから、米国の支持を受けて日本の首相になることは、現在の政治状況では石原の持論とさほど矛盾しない。
また、石原とて、政界入りして数十年、都知事、大臣まで勤め、外交にも経済にも一家言持ち、国民的に人気もある政治家ならば、そして(民主党が党首選後のゴタゴタで分裂しかねず)政界が大変動しそうな雲行きであれば、たとえ一時「反米」を棚上げしてでも、首相の座に座りたいと思うのは自然なことだ。また、そうでなくては、日米安保の存続を願う国民と国会の多数派に支持されない(から、首相になれない)。
●だれがコーディネーター?●
筆者が、02年4月30日配信の小誌記事で近い将来の「石原内閣誕生」を予言(予測)したのは、その直前に、主要な月刊誌、週刊誌、民放TVキー局が一斉に石原を登場させ、その政策を語らせたからだ。93年の細川内閣誕生直前の「非自民」勢力へのマスコミの「応援」のように「何か大きな力が組織的に動いて、石原人気が高まるように画策している」と予感したからだ。
その後、石原の小説『太陽の季節』が人気アイドル俳優の主演でTBSの「東芝日曜劇場」でドラマ化され、スポーツ誌『ナンバー/Number556』で石原が川淵三郎・Jリーグチェアマンと対談してサッカーファンにアピールし、さらにジャズ誌『スイングジャーナル』(02年8月号)にまで登場するにおよんで、筆者の予感は「確信」に変わった。ワイドショーへの登場や、知事としての「表稼業」でのメディアへの露出も合わせれば、いまや石原は「露出度No.1のタレント候補」なのだ。
【知人のミュージシャンの記事を読むために『スイング…』誌を開いて、いきなり石原の顔に出くわしたとき、筆者は開いた口がふさがらなかった……彼は元々作家なので文芸誌に出るのは当然としても、音楽ファンにまで浸透をはかるとは、いくらなんでも選挙の事前運動のやりすぎ、というより、もはや選挙後の内閣支持率を上げるための運動ではないか……石原は「どこでもドア」を持っているのか、と思ったほどだ。(^_^;) 】
とくに東芝日曜劇場、つまりTBSの日曜夜の、単独スポンサーのドラマ枠の最後の作品(この枠は02年10月から東芝以外の複数のスポンサーに変更)が『太陽の季節』だったことは象徴的だ。この枠の放送内容の決定は、02年9月放送分までは単独スポンサー(東芝)の意向が大きく働くが、それ以降はそうした決定が難しくなることがはっきしりており、「石原の人気を左右を超えて草の根に拡大するために」日米の保守勢力が東芝に頼んで「最後の単独提供ドラマ枠にねじ込んだ」可能性を否定できない。
【2000年まで米民主党政権(親中国派)は中国重視政策をとり、日本の経済・財政を悪化させるために「景気対策」を求める外圧をかけ、自民党の橋本派(親中国派)と族議員はそれに便乗して無駄な公共事業を乱発した。01年に米国の政権が共和党に替わったとき、筆者はそれを理由に「橋本派の支持を受けない」小泉が首相になる、と小誌Web版で01年3月17日、小泉が自民党総裁選への出馬を表明する前に予言(予測)し、それは翌4月に的中した(「米国ご指名、小泉首相」を参照)。したがって「米共和党が○○を首相にしたいと思えば、そうなる」と今回も予測(予言)できる。】
●人柄でなくペルソナが重要●
こう言っては本人に失礼だが、筆者は石原の人柄には、なんの期待もしていない。
筆者が彼に期待するのは、自民党に属していない、というそのペルソナ(社会的立場)だけだ。
「人」は社会的な役割、立場(ペルソナ)を得て初めて「人間」となる。人はペルソナなしには生きていけない。
筆者が『週刊東洋経済』(02年8月10-17日号 p.p 61-64)の「変革者の光と影・大久保利通」で述べたように、明治政府の権力者、大久保利通は「個人的心情」としては生涯、維新の大功労者にして同郷人の西郷隆盛を盟友と思っていた。が、1877年に西郷が叛乱軍の首魁にまつりあげられて西南戦争が始まると、大久保は、とても盟友に対するのとは思えないほどの苛烈さで叛乱軍を弾圧し、西郷も死に追い込んだ。が、それは「ペルソナ上」そうせざるをえなかったから、しただけだ。
ペルソナは、個人の心情や信念を飛び越えて、個人の社会的行動を規定する。たとえば永年族議員政治をやってきた「自民党」の総裁である小泉は(個人的心情とは無関係に)ペルソナ上、族議員(小泉構造改革の抵抗勢力)をも代表した形になっているので、彼らの「説得とお願い」に無駄な時間とエネルギーを費やさざるをえない。が、自民党員でない石原には、ペルソナ上そんな義務はないので、自分と政策や利害を同じくする者だけを集めて行動すればいい。
そして石原は、いったん首相になったあとは、日頃の過激な反米主張は引っ込め、彼の最大の支持母体である「都市型・無党派層」に配慮した経済政策を「ペルソナ上」中心に据えざるをえない。
ある意味では(自民党・族議員のしがらみがなければ)だれが首相になってもやるべきことは同じなので、その意味では「だれでもいい」のだが、どうせやるなら、国民的人気があり、かつ「自民党員のペルソナ」を持たない者(小泉のような防衛・外交音痴でなく、イージス艦の軍事的意味ぐらいすぐにわかる者)がやったほうが、万事円滑に進むはずだ。
石原の過去の失言(?)を取り上げてその「人柄」を問題視し、首相にふさわしくないとする左翼の批判は、政治(というより世の中)の現実を知らない、子供じみた意見だ。
【ペルソナについては拙著『龍の仮面』を参照。】
【北朝鮮問題については、次回以降随時(しばしばメール版の「トップ下」のコラムのみで)取り上げます。
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