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分析「日本の政治を読む」〜現状は陰の主役が都知事という“石原政局”[PAXNet] 2002/08/19 09:12:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 19 日 13:33:41:

【政局の焦点】

●「石原政権」誕生を警戒する公明党

得意の道路や郵政の改革は何とか進みつつあるが、経済はほぼ無策で景気回復の見通しが一向に立たない、外交は米国一辺倒で主体性があまりみられない―小泉内閣をごく簡単に評するとこういうことになろうか。そんな政権がなぜ続いているのか。その理由は第1に首相の「代わり」が見当たらないこと。第2に野党第1党の民主党の力が弱過ぎて、政権交代の現実味に欠けること。第3にこれが最も不可思議なのだが、自民党内抵抗勢力が本気で小泉政権を潰そうとしないことだ。
その最大の理由は、小泉純一郎首相をあまりに追い詰めると、首相が本当に衆院解散に踏み切りかねず、その選挙では抵抗勢力を中心に自民党が壊滅的な打撃を受ける恐れがあることだ。さらに年内解散となると、石原慎太郎都知事の「石原新党」立ち上げはほぼ確実で、そうなれば石原氏が政権を取ることを極度に警戒している公明党にとっても非常に困った事態に陥るなどの背景がある。小泉首相はこうした事情を熟知した上で、解散権を抵抗勢力や公明党へのけん制策として利用しているふしがうかがえる。「風が吹けば桶屋が儲かる」式に言えば、「石原新党」が支持率の急落した小泉政権を延命させているとの言い方もできる。つまり現状の政局はある意味では「石原政局」であり、陰の主役は石原都知事ということになる。

●政局の節目は10月、2003年4月、9月

今後の政局を見る上で、当面最大の焦点は10月27日の統一補欠選挙だろう。田中真紀子前外相の議員辞職もあったため、この日補選が行われるのは衆参両院合わせ計6選挙区に上り、さらに増える可能性がある。そうなれば米国の中間選挙と同じように政局に重大な影響を与える選挙となる。現実問題として、仮に自民党が1、2勝しかできなければ(現にその可能性は高いが)、山崎拓幹事長の引責辞任は免れないだろう。超リアリストの小泉首相はそのことを折り込んだ上で、9月末の内閣改造・自民党役員人事では山崎氏の幹事長続投を本人に約束していると言われる。ついでに言えば、盟友の加藤紘一元幹事長を議員辞職に追い込んだ差出人不明の帳簿がなぜ検察の手にわたり、マスコミに漏れたのか。もし現時点で加藤氏が健在なら「ポスト小泉」はどうなっていたかということを考えると非常に興味深いエピソードだ。
ではその後、小泉政権はどうなるのか。恐らく内閣支持率はさらに低下し、これを上げるために首相は高速道路建設見直し問題ではより過激な方針を採用、自民党内の道路族などと激しい衝突を繰り返すだろう。その対決が頂点に達するのが来年4月の統一地方選となろう。もし、これで決着がつかない場合は来年9月の自民党総裁選で小泉首相と抵抗勢力が雌雄を決することになる。その際は、恐らく自民党だけでなく民主党なども巻き込んだ政界再編の動きに発展する可能性が高い。

●鈴木議員逮捕は検察の目くらましか

既に何度か触れているが、鈴木宗男衆院議員の逮捕をめぐっては、やはり容疑そのものより、検察にまず「逮捕ありき」の方針があったのではとの疑念がぬぐえない。一連の容疑のうち、木材会社「やまりん」や鈴木議員の有力後援者でもあった島田建設の贈収賄事件は贈賄側の時効がいずれも成立しており、半ば「司法取引」による証言に基づく容疑。贈賄側で実際に逮捕されたのは三井物産社員だけだった。一部には、逃亡の恐れもない現職議員を国会開会中に逮捕したのは、前大阪高検公安部長・三井環被告が裁判で明らかにしようとしている検察首脳による調査活動費流用疑惑に関する内部告発から世間の目をそらせるため、とも言われている。この問題では検察内部の動揺も激しく、さらに今秋にかけ、別の現職議員の逮捕も視野に入れているのではないかとの観測が流れている。これらの件をめぐって検察側は官邸と綿密なすり合わせをしているとも言われ、それがもし事実だとすれば、検察の政治利用や検察ファッショともなりかねない。このため関係者の間には「禍根を残すことにならなければよいが」との声は依然根強い。

●“原則公開”の委員会を報道規制するのは本末転倒

政府の道路関係四公団民営化推進委員会のメンバーで今や高速道路建設見直し問題のスターである作家の猪瀬直樹氏だが、同委員会の審議を原則公開とするよう強く働きかけた中心人物にしては、特定の社だけを取材から閉め出しているのは一体どうしたことか。問題の発端はこの社が、推進委員会が8月末にまとめる予定の中間報告について「素案」として見通し記事を書いたところ、猪瀬氏が「そういう事実はない」と同社の取材拒否を強硬に申し立てているのだ。しかし、委員会のその後の審議は同社の記事にほぼ沿った流れとなっており、現時点では非常に正確な「見通し記事」だったと言ってよい。にもかかわらず同氏が「事実無根」などとして、取材拒否の強権を振り回しているのはなぜか。実はこの「素案」が、猪瀬氏を除く数人の委員でまとめられたという有力な情報があるのだ。
もしそうだとすれば、猪瀬氏の主張は「俺は聞いていない」という半ば私憤に近いものとなる。これでは、外務省のあらゆる政策決定に「俺は聞いていない」と、“拒否権”を発動した鈴木宗男氏と何ら変わらないことになる。猪瀬氏が本気で高速道路建設問題を改革するつもりがあるのなら、この際、メンツにはこだわらず、本筋を重視する姿勢こそ必要だろう。もし、この問題にいつまでも固執し、報道の自由という基本原則を犯し続ければ、せっかく国民の支持を得ている高速道路建設見直し問題がいずれ失速しかねない懸念があることを指摘しておきたい。
(政治アナリスト 北 光一)

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