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無登録農薬使用で廃棄の農作物、全国で10億円以上 投稿者 inu 日時 2002 年 9 月 29 日 12:54:03:

 農薬取締法で販売が禁じられている無登録農薬が出回っていた問題で、無登録農薬を使っていたために廃棄された農作物は、ナシやリンゴ、メロンなど少なくとも17品目、計4281トンに上り、損失額は集計されているだけで10億3000万円以上となることが28日、読売新聞社の全国調査で分かった。

 無登録農薬が売られていたのは42道府県に及び、7種類計169トン以上が農家に渡っていた。違法販売には、農家を指導する立場にあるにもかかわらず、9県の11農協が関与していた。

 販売されていた無登録農薬は、殺虫剤の「プリクトラン」、殺菌剤の「ダイホルタン」「PCNB」「マンコゼブダイセン」、植物成長調整剤の「ナフサク」など。いずれも農薬取締法に基づく登録が失効しているか、これまで1度も登録されていない農薬だった。

 販売量が最も多いのはPCNBで約138トン。次いでダイホルタンの約24トン、プリクトランの約5トンなど。

 損失は、県によっては集計途中のところもあるが、農作物別にみるとナシが最も多く、全国で約2085トン、損失額は5億1000万円以上になっている。多い県は、新潟県の1688トン、長野県の142トン、群馬県の115トンなどで、いずれも出荷自粛・廃棄された。次いで損失が大きいのはリンゴで、青森県の900トンなど計1634トンが廃棄され、損失額は3億6000万円以上。

 このほか、群馬県でヤマトイモ150トンなどを、茨城県ではメロン51トンなどを回収・廃棄。静岡や埼玉、三重、香川県では、イチゴの苗が15万―120万本廃棄された。

 こうした現状を受け、群馬県は、無登録農薬の使用を禁止する全国初の条例案を県議会9月定例会に提出しており、可決され次第、施行する。愛媛県は、無登録農薬を販売した業者の名前を公表するなど、処分の基準を設けることを検討している。

 一方、無登録農薬がまん延した背景には、農協の関与もあった。茨城県では、JA茨城旭村など3農協が99年以降、メロン農家計約130戸にナフサクを販売。群馬県では、尾島町の新田郡農協尾島支所がプリクトラン約1400袋をヤマトイモ農家65戸に販売したとして、農薬取締法違反などの容疑で同県警の捜索を受けた。

 ◆無登録農薬=農薬取締法に基づく農相の登録を受けていない農薬。同法では、製造または輸入した農薬を販売する場合、薬効や薬害、毒性などの試験成績を付けて登録しなければならないと定めている。(読売新聞)
[9月29日10時34分更新]

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