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安全と信頼に“ひび” 宮城・福島原発トラブル隠し
東京電力の一連の原発トラブル隠しに続き、東北電力女川原発でも20日、ひび割れの兆候を国に報告していなかったことが分かった。「もうたくさんだ」「こんな状態で国民の信頼を得られるわけがない」。原子力政策を進める大前提だった安全と信頼が大きく揺らいでいる。東京電力ではこの日さらに東北電力と同様、再循環系配管に8件のひび割れ隠しも発覚。「原発不信」の連鎖が立地圏の東北に広がった。
宮城県女川町は東電のトラブル隠し以来、東北電力の関係者に、「同じようなトラブルがないか」と何度もただしてきた。安住宣孝町長は「もう少し早く話してくれれば、こんなにセンセーショナルにはならなかった」と無念そう。
「公表が遅すぎる。住民をばかにしている」。同町の50代の主婦の言葉は住民の気持ちを代弁した。
「仮に40年間運転を続けても、問題ないと判断した」。東北電がどんなに強調してみても、住民がその説明を素直に受け止められる空気はなくなっている。
浅野史郎宮城県知事は「東京電力の問題があるからあえて報告したのに、一緒にトラブル隠し扱いされてしまうのは、東北電力には気の毒だ」と冷静に評した。だが、行政の担当者にさえ「素人には東京電力のトラブル隠しとどう違うのか判断できない」(石巻市)「内輪による調査で大丈夫なのか」(女川町)と、不安と戸惑いが交錯している。
菅原康平石巻市長は「原子力発電所の安全性に対する住民の信頼に応える上からも、定期点検時などにより発見された事象については、その時点で説明・報告すべきであり、大変遺憾だ」とのコメントを出した。
福島第二原発がある福島県富岡、楢葉両町では19日、東電幹部が両町議会にトラブル隠し後の社内調査結果や再発防止策を説明した。その翌朝、再び新たな隠ぺいが発覚。町にとっては寝耳に水だった。
「調査が進んでいた話なのだから、説明してほしかった。倫理観を疑ってしまう」。富岡町の遠藤勝也町長はこう語った。福島第一原発が立地する双葉町の岩本忠夫町長も「反省の一片も感じられない」と語気を荒げた。
佐藤栄佐久福島県知事は「そういう(トラブルを隠す)体質では困ると言ってきたが、また出てきた。国が責任を持って体質、体制を変えるべきだ」と憤りをあらわにしている。