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携帯メールでも脳が壊れる? 拡大する“ゲーム脳”汚染 投稿者 てんさい(い) 日時 2002 年 9 月 04 日 22:56:07:

http://ascii24.com/news/inside/2002/09/03/638336-000.html
携帯メールでも脳が壊れる? 拡大する“ゲーム脳”汚染

2002年9月3日
 “ゲーム脳”という言葉が最近、マスコミやIT業界で話題をさらっている。テレビ
ゲームを頻繁に続けると脳波が著しく低下し、高齢者の痴呆症と同じ波形を示すよう
になる――という問題だ。脳神経学者の森昭雄・日本大教授が発見し、『ゲーム脳の
恐怖』(NHK出版)という本に著したことから、一躍注目を集めるようになった。

しかし実はもっと恐るべき問題が、森教授の最新の研究から明らかになろうとしてい
る。それは、携帯メールやパソコン利用による脳波の低下という衝撃の事実だ。

森教授は今年に入り、国内の高校生約100人の脳波測定を実施。この結果、携帯電話
のメール機能を頻繁に利用している高校生の脳波が一様に低下し、ゲーム脳と同じよ
うな症状をみせていることが発覚した。森教授は同様の調査を今後、パソコン利用者
などにも行なっていく予定で、問題の拡大が明らかになっていけば、社会的に与える
影響ははかり知れない。

ビジュアル脳タイプとゲーム脳タイプのα波、β波を測定した結果。ゲーム脳タイプ
の脳波の低下が著しいことがわかる

ゲーム脳って何?森教授のこれまでの研究を、簡単にまとめておこう。

ゲーム脳というのは、森教授の造語。もともと高齢者の痴呆症患者の脳波を研究して
いた森教授は、α波とβ波を簡単に測定できる機器をメーカーと共同で開発した。α
波は脳がリラックスしているときに現われ、β波は脳が活発に活動しているときに出
現するといわれる脳波だ。この計測機器を開発する際、メーカーのソフトウェア開発
者8人の脳波を試験的に測ったところ、全員が痴呆症患者と同じような脳波を示した。
この不思議な経験が、森教授をゲーム脳研究に向かわせるきっかけとなった。

研究では、4歳から20代後半まで約300人に協力してもらい、テレビゲームをしている
ときの脳波を測った。この結果、脳波が4つのタイプに分けられることがわかった。

まったくテレビゲームをしたことがなく、テレビゲームを始めても脳波に変化がない
“ノーマル脳人間タイプ”。 テレビゲームはしていないが、毎日テレビやビデオを1
〜2時間見る“ビジュアル脳人間タイプ”。ゲームを始めると一時的に脳波は若干落
ちるが、やめればすぐに元に戻る。 テレビゲームを週に2〜3回、1回1〜3時間してい
る“半ゲーム脳人間タイプ”。テレビゲームを始める前も終わった後も、β波がα波
のレベルにまで落ちている。 テレビゲームを週4〜6回、1回2〜7時間している“ゲー
ム脳人間タイプ”。ゲームをしていないときにも脳は働かず、数値が測れないほど脳
波が低下している。

 森教授によると、最後の“ゲーム脳人間タイプ”の若者の多くは「記憶力が非常に
乏しく、キレやすい。たとえば私が調べたある青年は小学生のころから毎日7時間ゲー
ムをやってきたが、約束はほぼ100%忘れる。アルバイトもゲームセンターで、就職
はゲーム関連の会社を受けたが、すべて落ちてしまった。いまは音信不通」という。
また、『ゲーム脳の恐怖』出版後に出演した札幌のテレビ番組では、「1歳半からテ
レビゲームをやっていて止まらない」という8歳の男児の親からの相談があった。こ
の男児は親戚の子供の見よう見まねでゲームを始めるようになり、今ではほぼ毎日テ
レビゲームに熱中。負けるとコントローラーを放り投げてキレるという。口から泡を
吹きながらゲームをしていることもあるといい、親がてんかんを心配して病院に連れ
て行った。だが検査では明確な診断は出ていない。

脳を上から見て活動量を測ったところ。アクションゲームではまったく活性化されな
いが、お手玉運動では脳波が活発に現われている

ゲームが脳の機能を低下させるのは、次のような仕組みだ。通常、目から入った情報
は視床を経て、後頭部にある視覚野という部分に伝わる。ここから思考などを司る前
頭部の前頭前野に情報が伝わり、次の動作などを考えながら意志決定を行ない、命令
が運動野に伝えられる。運動野からの情報が脊髄を通って手足の筋肉などを収縮させ
る。

ところが、ゲーム脳タイプの人になると、視覚野に入ってきた情報は前頭前野に伝わ
らず、直接運動野に伝えられるようになる。「敵が現われたとき、いちいち考えずに
すぐに手がコントローラーを操作する」という状態だ。シューティングゲームなどを
やり込んだことのある人なら、誰でも経験しているだろう。しかしこの状態が長く続
くと、前頭前野が使われなくなり、活動はどんどん低下する。使われなくなるから当
然、思考能力は落ちてβ波も消滅していくというわけだ。また前頭前野は思考を司る
のと同時に、動物的な激情を抑え、人間的な理性をコントロールするする役割も持っ
ている。前頭前野が働かなくなれば、人間は激情型になる。

脳波に新たな光があてられ、子供たちのキレる原因がわかってきた振り返れば1990年
代以降、キレる子供たちの少年犯罪は増加の一途をたどってきた。メディアや食生活
の影響などさまざまな原因が推測されてきたが、脳神経学的な側面から「なぜ子供た
ちがキレるようになったのか」はいまだ解明されていなかった。今回の森教授の脳波
研究で、その一端が明らかになるかもしれない。

そもそも、これまでこうした研究が行なわれていなかったのは、「脳波測定が古い研
究方法だった」(森教授)からだ。最近の脳神経科学は、ファンクショナルMRI(機
能型核磁気共鳴診断装置)の断層写真などで脳の働きを分析するなど、ハイテク装置
を駆使した研究が主流。脳波はてんかん患者の診断や、せいぜい睡眠時の意識レベル
の測定などに使われる程度で、最先端の脳神経科学からは、いわば見捨てられた存在
だったという。

そしてこの古い手法がいま、テレビゲームによる脳の機能低下という問題で改めて注
目を集めている。そして問題は、テレビゲームだけでなく携帯メールやインターネッ
ト、パソコンなどあらゆるデジタル文化に波及しようとしている。

たとえば森教授が調べた携帯メール利用者のケースには、テレビゲームはいっさいや
っておらず、パソコンも所有していないが、携帯電話でメールを毎日1時間程度入力
するという女子高校生がいる。この少女は、携帯メール利用時にβ波がほぼ半減して
いるという。また森教授が共同開発している脳波測定装置の最新型では、右脳と左脳
のβ波をそれぞれ調べられるようになった。この装置で携帯メールを利用している高
校生を測ったところ、抽象的な思考を司る右脳の脳波低下が著しいことも判明したと
いう。中には1日10時間も携帯でメールをやりとりしているというケースもあり、こ
の高校生は右脳だけでなく、計算などデジタルな働きを持つ左脳の脳波も下がってし
まっていたという。森教授は「これからさらに分析を進めていかなければならないが、
ゲーム脳とほぼ同じような状態を示しているようだ」と話す。

それにしても、テレビゲームと携帯メールでは画面の派手さや色が違い、その操作の
内容も異なる。どうして同じような結果になるのだろう? 森教授は、こう指摘する。
「携帯メールの場合、パソコンなどでメールを入力する場合と違い、短い簡略化され
た文章を入力するだけ。文章を作るというよりは、決められた手順で文字を入力する
ということが主眼となっている。その操作は、反射神経型のゲームの操作に近い」

森教授は今後、ウェブブラウジングやワープロ、表計算といったパソコン利用につい
ても脳波測定を大規模に実施していく計画という。森教授の研究に対しては、欧米の
メディアからの取材申し込みも殺到している。11月3日には米オークランドで開かれ
る米神経科学会でも発表する予定で、研究は世界的な注目を集めつつある。

森昭雄・日本大教授。北海道生まれ。医学博士。専門は脳神経科学。日本健康行動科
学会理事長


『ゲーム脳の恐怖』。NHK出版・生活人新書。660円税別

NHK出版・生活人新書 (http://www.nhk-book.co.jp/seikatujin/) (編集部 佐々木
俊尚)

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