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子宮内膜症の患者、腹水に環境ホルモン
環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)として健康影響が懸念される合成樹脂原料ビスフェノールA(BPA)が、子宮内膜症の患者の腹水に高濃度で含まれていることを、岡山大医学部の工藤尚文教授(産科婦人科)のグループが突き止めた。BPAが増えると、症状悪化につながる体内物質の分泌が増えることもわかった。「BPAと内膜症の関連を示す重要なデータ」としている。
子宮内膜症の患者27人と健康な12人から子宮と大腸の間にたまる腹水を採取し、分析。BPAの濃度は、健康な人が1ミリ・リットル当たり平均約1・3ミリ・グラム(ナノは10億分の1)だったのに、発症初期の患者が同3・5ミリ・グラム、症状の進行した患者は同4・9ミリ・グラムだった。いずれも血中より高濃度だった。
さらにBPA濃度が高い患者ほど、内膜症を悪化させる血管内皮増殖因子(VEGF)や窒素酸化物などの体内物質も腹水中に多く含まれていた。しかも患者の腹水から取った細胞を人工培養してBPAを加えたところ、細胞からVEGFや窒素酸化物などが活発に分泌されることも確認した。
ポリカーボネート製食器などから溶け出すことがあるBPAは、女性ホルモンのエストロゲンと似た化学構造を持つ。細胞にBPAを加えた実験で、エストロゲンの働きを阻害する物質を加えると、VEGFは増えなかった。
同大病院の中塚幹也助手は、「エストロゲンは本来、排卵周期に応じて増減するが、高濃度のBPAが常にあると、VEGFなどの分泌が過剰な状態になり、子宮内膜症が悪化するのではないか」と話している。
(6月29日17:39)