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<カドミウム>複数の米を混ぜて検査 「汚染米」見過ごす恐れ
食糧庁が実施しているカドミウム米の検査法について、「汚染された米が見過ごされ
てしまう可能性がある」と専門家の間から批判が出ている。複数の水田で作った米を
混ぜて調べるため、高濃度の汚染米があっても薄められ、発見できないことがあると
いう。汚染米を見つけやすい独自の方法で米を調べている自治体もあり、チェックし
にくい検査を続ける国の姿勢が問われそうだ。
米のカドミウム濃度の安全基準は「1ppm未満」で、基準を超えるカドミウムが検
出された「汚染米」は自治体が買い上げて焼却する。0・4?1ppmの「準汚染米
」も国が買い上げて工業用原料にしている。
こうした米が流通しないよう食糧庁は毎年、過去に汚染が判明した地域を中心に農協
などに集荷された米のカドミ濃度をチェックしている。01年は全国で約500点を
調べ、汚染米が2点、準汚染米が33点見つかった。
検査は、対象の地点で生産者や倉庫ごとに一定数の袋を選び、それぞれから均一に合
計重量が約200グラムになるよう米を抜き取り、混ぜて分析する。食品衛生法に基
づく検査法だが、一部に高濃度の汚染米があっても、検査では平均化された低い数値
しか出ない。
浅見輝男・茨城大名誉教授(環境土壌学)によると、79年に茨城県の調査により同
県守谷町のごみ焼却施設周辺の水田で汚染米が6点発見された際、守谷町が食糧庁の
検査方法で調べ直すと1点も見つからなかった。
一方、秋田県は消費者の信頼を得ようと00年から毎年、独自に米のカドミ濃度を調
査している。水田2・5ヘクタールに1カ所の割合で収穫前の稲穂を抜き取り、他の
水田の米とは混ぜずに分析する。
01年は過去に準汚染米が見つかった地域やその周辺など404地点で調べた結果、
汚染米が23地点、準汚染米が73地点で見つかり、計96地点の米すべての流通を
止めた。しかし、食糧庁の方式で同じ地域を調べると、汚染米は16地点にしかなか
った。
食糧庁品質管理室は「米が消費者に届く時には、同じ農家が生産した米や同じ産地の
米が一つの袋に混じっているので、現在の検査方法で安全は確保できる」と説明する。
これに対し、浅見さんは「カドミ濃度が高い米と低い米を混ぜ合わせて濃度を下げる
のは、消費者への裏切り。個々の水田ごとに濃度が分かる方法に改めるべきだ」と批
判している。 【カドミウム汚染取材班】(毎日新聞) [6月3日3時21分更新]