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Re: 細菌との和解へ  共生 投稿者 寅蔵 日時 2002 年 5 月 29 日 10:02:18:

(回答先: Re: 細菌戦争の対策が逆に感染症をひきおこすのか? 投稿者 寅蔵 日時 2002 年 5 月 29 日 07:55:16)

 叩けば叩き返される
これは因果論からだが、すると国家間の戦争もこれに当てはまるような気がする。自分の利益優先から知らずのうちに害を与えた相手からもそれは起こるようだ。ましてやそれを知っていてやったとしたらその反発は大きくなる。
自己中心に考えるから相手が「ならず者」になる。そのならず者を排除しようとすると逆に手痛い目に合う。こんなことが今世界で繰り返されているのでは・・

では細菌戦争といわれている世界ではどうなのだろう。
これは細菌の方から仕掛けてきたのだろうか?
もちろん医学者たちはYESと答えるだろう。すべての原因は細菌にあり。ゆえに細菌(この場合は病原菌と呼ばれる細菌のこと)を世界から一掃せよーーーーという命題が出来上がる。

しかし、人類は細菌との戦争に負けていたということ既に知った。これは知らされないが事実であろう。しかし、情報は未だに闘っているかの様に見せている。
賢い者はこれを知っている。いや、賢いというよりも事実をそのまま見る人のことでしかないのだが。

人類に残されたのは闘いではなく、「共生」なのだろう。


以下、本田博士の文から
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
病原菌との「共生」を考える

天然痘ワクチンは、天然痘ウイルスを地球上から消滅させるという大きな成果を上げた。
同じような計画が、ポリオウイルスについても現在展開されている。

 天然痘、ポリオはいずれもウイルスであり、生きた細胞にのみ感染し生存することがで
きる。自分で栄養を摂ったり、自ら代謝をしたりして生きることのできない微生物である。
しかも幸運なことに、これらの二つの感染症は、標的がヒト細胞のみなのである。つまり、
すべての人間がワクチン接種を受け、これらのウイルスに非感受性になることで、理論上
は地球から根絶可能な微生物である。

 しかし、微生物を殺すのではなくてワクチンのように排除するだけであっても、これに
抵抗する微生物側の姿が見え隠れする。ウイルスのような微生物も、着々と変異を繰り返
し、ワクチンの防衛力をすり抜けてしまう例が見られるからである。たとえば、インフル
エンザウイルスを考えればよい。インフルエンザに村するワクチンをヒトが開発しても、
次々とウイルスが変異を繰り返し、ワクチンを無効にさせることはよく知られている。

 ワクチンも、ましてや抗菌薬も、痛原微生物による病気の予防や治療には万全ではない
ということになると、人類は今後、病原微生物にどう対処すればよいであろうか?
 人類は幸いにして今日まで、とてつもなく強力な病原微生物とは遭遇してこなかった。
これはまったく偶然の幸運としかいいようがない。ペストや天然痘は確かに人類の存亡に
関わると思われる大流行があった。しかし、人類はなんとか生き延びてきたのである。
 人類とミクロの生物″との戦いの歴史を見ると、ある時期はミクロ軍団が優勢に立ち、
またある時期は人間が優位に立つ、ということを繰り返してきた。知恵のある人間が、必
ずしも圧倒的に勝利に向かって邁進してきたとは決していえないのである。むしろミクロ
軍団の逆襲に遭い、ヒトはその対応策に四苦八苦しているのが現状であるといえる。
 この状態をどう乗り越えればよいのであろうか。


 人間は、皮膚はもちろん、腸管や気道、口腔内などに無数の微生物を保有している。ま
た、われわれの体を構成する細胞には、かつての細菌の残像と思われるミトコンドリアが
組み込まれている。共生しているのである。これらのことを考えると、ヒトは、ひょつと
して病原細菌と共生できるのかもしれないという思いが浮かぶ。
 ここで、共生(英語でSコロb訂is)という言葉を考えておこう。共生とは、「異種の生物
が生理的、生態的な相互関係を保って生活している状態」を指す。共生の仕方を分けて考
えると、互いに利益を得る場合は相利共生、片方の生物のみが利益を得る場合は片利共生、
片方が利益を得て他方は害を受ける場合は寄生(的共生)、の三つに分けられる。しかし、
これらを厳密に分けることは、なかなか難しい。利益がないように見えても、われわれに
は理解できないだけかもしれないからである。

 ところで病原細菌と、われわれの体に普通にいる常在細菌(非病原菌)とは、どこが違
うのであろうか。
それは病原因子をもっているかどうかという点にあることをすでに述べた。病原細菌は、
定着因子や毒素や侵入因子をもっているという点で非病原菌と異なる。したがって、これ
らの病原因子をコントロールすることで、病原細菌は常在細菌と変わらない存在になる可
能性があるのではないか。これなら、共生ができる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上から
常在菌はいつでも病原菌となり得る。
それは人間側にポイントがある。
病原因子を察知していつでも普通菌が病原菌に変化できるというのである。  まるで農民がいつでも兵士に変わるベトコンみたい。

原因はどうやら人間側にあったようだ。
それをどう間違えたか、相手(細菌)ばかりに非があるかのように叩く事に専念して来たのだ。

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